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「女性性」と「男性性」

すべての人にある「女性性」と「男性性」

性別的なこととかジェンダーの話ではありません。
あらゆる人には「女性脳」と「男性脳」が備わっていて、そのバランスで現実が影響を受ける、という話です。

女性性

無意識の反応。「好きだな」とか「ほっこりする」とか、ゆったりしていて副交感神経的な状態や、「理由は分からないけど違和感がある」等、曖昧で空想的にも見えるが、ありのままの感覚に基づいた部分。潜在意識の正直な反応。

男性性

成果や記録、競争による勝利などを求める現実的な感覚。交感神経的で、ゴールとプロセスが明確。ロジカルな根拠に基づいている。具体的で現実的。目標設定のためのマインドセットが出来ている状態。計画的で顕在意識的。

どちらが良い、とか、どちらが優れているとか劣っているとか、そういうことはなく、自分の中にはどちらも共存しているわけです。

たとえば、雑誌でフィンランドの美しい自然の景色を見てうっとりして「ここいきたいなあ~」とじんわり思うのが女性性の動き。

それを受けて「じゃあフィンランドに行ってみよう。今年の春に有給を取って、予算を決めよう。」
と現実に落とし込んで、実際に行動に移すのが男性性。

女性性だけが突出していると、いつまでたっても現実が思うように変化しないし、男性性だけが目立ってしまうと、置き去りにされた自分の本心に気づけなくて、苦しくてでも苦しみの根源に気づけなかったりするということが起こります。

男性性の強い女性もいるし、女性性の割合の強い男性もいる、というわけですが、いずれにしても、どちらの要素も必要で、それぞれがサポートし合うことで豊かさにつながっていくのだと思います。


女性性を利用して、男性性を動かす

直観、とかピンとくる、という感覚ってとても大事だとつくづく思います。
ただ、その場限りにしてしまっていることって多いな、とも思うのです。

結婚生活に違和感があって、苦しんでいる。それを感じているのは女性性。
では、男性性はどうする?

ちなみに私は結婚後、長らく女性性だけが突出して強かったと自覚しています。男性性を置き去りにして、具体的なアクションに至る前に、感覚に振り回されてばかりいたところがありました。
特に、仕事をしていなくて専業主婦だったころ。

それは子どもたちとの生活や大好きな周りの方たちとのコミュニケーションにおいては効果的なこともありましたが、一番弊害があったのが

元夫とのコミュニケーションでした。

彼は、男性性を絵にかいたような人でした。
女性性に基づく「なんとなく」や「わかっちゃいるけど、できない」といった曖昧な違和感はすべて

「行動できない奴の言い訳」

と一蹴され続けましたし、子どもたちにもずっと言っていました。

「結果しか意味がない。」


と。

頑張っている、とか
失敗したけど学びになった、とか

そういうことはどうでもいい。

「結果、なにをもたらしたか」

これに尽きる、と。


私は彼のそのスタンスで論破されると、いつも

「正しい」みたいだけど、とても嫌だ。

とだけ、ただ感じていました。


今なら説明できます。
彼は男性性のロジックの範囲で物事をとらえていたんだな、ということが。

社会的にみると、成功体験として語りやすいから致し方ないですが、私は最後まで女性性について語ろうとして、全敗してきたんだな、と気づきます。


子どもたちの気持ち

この「女性性」と「男性性」の話になったのは、昨夜、長男の高校受験の面接の練習をしていたときのことでした。
部活で部長をした、とか、生徒会をひっぱった、とか、面接官を唸らせるような「中学校での功績」的なやつを自分は持っていない、ということに長男が気づいて

「面接で語れるネタを作るために、それっぽい活動を行うという順序は本末転倒だけど、自分の熱をそこで解消して終わり、ではなくて次の展開に発展させていくということはけっこう大事かもね。就職とか転職とか、いろんな人に『自分は何者か』を伝える手段を持っているのは強いよね。」

という話になったのです。

息子は「やりたいこと」に対する夢中になる感覚は強いですが、いかんせん目に見える「成果」や「形」として残す方向に熱量は向かいづらかったと思います。

それを本人も自覚していて、とはいえ他者に賞賛されることにあまり興味がないから、どうしたもんか、と話していたところ
「男性性」と「女性性」の話に至った次第です。

ーこれまでは、単に女性性の割合が多かった。
だから、例えば「これ好きだなあ」と思ったら、友達と楽しいね、楽しいね、と時間共有して終わっていた。

ここに男性性をバランスよく採用することが、トータルで良いことにつながるかもしれないね。

そんなようなことを話しました。


どちらの要素もとても大事。
片方が突き抜けてしまうと、大事なものを損なったりすることがある。


―と、時すでに遅しですが、元夫にも伝えたいところです。


伝わらないか。




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