無題 Act:8 『嘘ですごめんなさい、悲しいです』
唯「ボクも豆腐好きだよ」
舞「本当ですか! 美味しいですよね~♪」
蛍「おい」
唯「どうしたんだい?」
蛍「いつまでいるつもりだ」
舞「お兄ちゃん、なにその言い方!」
唯「大丈夫だよ舞さん、当たり前の反応だ」
蛍「和み過ぎだろ、お前」
舞「唯さんとは四年間も一緒にいるのに今更過ぎだよ」
唯「ボクとの四年間は遊びだったの!?」
蛍「変な言い方するな!」
舞「私との十四年間は遊びだったの!?」
蛍「被せるな!」
唯「良いボケだね、舞さん」
舞「えへへ、誉められちゃった」
男(仲良いな、こいつら)
唯「ん? どうしたんだいこちらを見て」
舞「きっと仲間外れにされて悲しいんですよ、お兄ちゃん」
蛍「そんなことはない」
舞「じゃあ唯さんと二人きりで話したいから席を外してもらえる?」
蛍「嘘ですごめんなさい、悲しいです」
舞「あ、もうこんな時間! 唯さん、ご飯食べてってください」
唯「おや、いいのかい?」
舞「はい! 明日は休みですし、遠慮しないでください♪」
唯「じゃあ、お言葉に甘えて」
蛍「お、おい舞。別にこいつの分を余分に作る必要はないからな?」
舞「もう、なんでそんなこと言うの! お兄ちゃんひどいよ!」
男(嫌な予感しかしないんだよ……!)
舞「お待たせしました~」
唯「おや、これは……」
舞「えへへ……まだまだ上手じゃないですけど、良かったら食べてください!」
蛍「はぁ……」
唯「見た目は充分綺麗で美味しそうだ。だけど……量が多いね」
蛍(だから言ったんだ……)
唯「いただきます。……うんっ、美味しいよ」
舞「本当ですか!? やったー」
唯「でも、ボクには少し量が多いかも」
舞「あ、そうですか?」
唯「うん。せっかく作ってもらったのに。申し訳ない」
舞「大丈夫です! お兄ちゃんが残りを食べてくれますから!」
唯「ああ、あのスキル」
蛍「勝手にスキルにするな」
蛍「うぷっ……ごちそうさま」
唯「おお……本当に全部食べ切った」
蛍「あ、当たり前だろ」
唯「ボクの分まで、ありがとう」
蛍「気にするな」(コイツの分含めたら七人前か……)
舞「まあ、いつもより少なめだもんね、お兄ちゃん」
蛍「そ、そうだな……」
唯(いつもどれくらいなんだろう……)
唯「お世辞抜きに美味しかったよ、舞さんのご飯」
蛍「そうか、伝えとく。舞も喜ぶだろ」
唯「お腹いっぱいなのに、送ってもらってごめんよ」
蛍「送らんと怒られるからな。それに食後の良い運動だ」
唯「じゃあ手っとり早く運動しようか」
蛍「尻をこっちに向けるな。さっきまで下ネタ全然言ってなかったのに、急に言うなよな」
唯「それはそうさ。舞さんの前だったからね。実は言いたくって仕方なかったよ」
蛍「オチ台無しだな!」