無題"Waltz of Winter"-白金円舞曲-(Movement:1)

ピンポーン
舞「お兄ちゃん、唯さーん」
蛍「ん」
唯「やあ」
蛍「……なんだその格好」
唯「性夜前夜だから」
蛍「字が違う!」

舞「うわー! 可愛いサンタさんだー!」
唯「あはは、恥ずかしいよ妹くん」
舞「私も着たかったなぁ~」
唯「ふふっ、舞さんなら間違いなく可愛いだろうね」
蛍「お前よりもな」
舞「お兄ちゃん酷いよ!」

蛍「ちょっと出かけてくる」
舞「はーい」
唯「妹くんも一緒に来ればいいのに」
蛍「いや、妹は料理の準備をするらしいから」
唯「ああ、なるほど」
蛍「今からお腹を極限まで空かしておかないと……」
唯「楽しみであり、大変だね……」

唯「イブと言っても、特にすることないね」
蛍「そうだな。飯も妹が用意してるし」
唯「イルミネーションでも見に行こうか」
蛍「そうだな。明日は生徒会主催のパーティーもあるし」
唯「そうだね。プロジェクションマッピングがあるとかないとか」
蛍「らしいな。楽しみだ」

蛍「寒いな……お前平気か?」
唯「ふふ、ボクを誰だと思っているんだい」
蛍「ノースリーブにミニスカは寒いと思うんだが」
唯「……凍え死にそうだ。おまけに穿いてないからね」
蛍「そりゃそうだろうな!」

蛍「とりあえずこれ羽織っとけ!」
唯「これ、君のジャケットじゃないか」
蛍「そうだ。ちょっと体温残ってるかもだけど……文句言うな」
唯「ありがとう。……ああ、君に包まれている……」
蛍「変なこと言うな!」

唯「君は平気かい?」
蛍「まあ寒いけどお前よりマシだ」
唯「ブルブル震えてるじゃないか」
蛍「大丈夫だって」
唯「……はい」
蛍「ん……!?」
唯「二人で羽織れば寒くないさ」
蛍「……礼は言わんぞ」
唯「ふふっ、むしろボクがお礼を言わなきゃ」
蛍「どういうことだ?」
唯「さあね」

唯「イルミネーション、綺麗だね」
蛍「気合入ってるな」
唯「寒くない?」
蛍「そっちこそ」
唯「ふふっ、なら大丈夫だね」
蛍「……」
唯「ねえ」
蛍「ん?」
唯「メリークリトリ……」
蛍「ストォォォォップ!」

唯「おや、なんだい?」
蛍「何言おうとしてんだ! バカ!」
唯「ふふっ、冗談だよ。メリークリスマス」
蛍「……ちっ……メリークリスマス」
唯「地味に、成立してしまったね」
蛍「へ?」
唯「ふふ、なんでもないよ」


舞「よーし完成~! お兄ちゃん達まだかなー」
舞「まさか七面鳥が五羽も用意してるなんて思ってないだろうし! ふふっ……」
舞「早く帰ってきて、お兄ちゃーん!」

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