無題"School Festival Rhapsody"-学園祭狂騒曲- (Movement:2)

蛍「あれ」
唯「やあ」
蛍「先に帰ってても良かったのに」
唯「そういうわけにもいかないよ」
蛍「なんでだ?」
唯「たった一人の教室で君が……ナニをするかわからないからね」
蛍「しねーよ何も」

唯「まだ出し物は決めていないけれど、大丈夫なのかい?」
蛍「そうだな。実行委員の集まりでも今週中に決めて報告するようにって言われた」
唯「じゃあ今度の帰りのホームランで決める予定か?」
蛍「帰りのホームルームな」

蛍「そういえば一つ疑問があってな」
唯「世の中たくさん疑問があるのに、一つなんて羨ましいね」
蛍「揚げ足を取るな。そりゃあたくさんあるけど、身近な疑問があるってことだ」
唯「わかってるさ。素朴な疑問だね」
蛍「会議は毎回生徒会の人が来るんだけど、いつも副会長しか来ないんだよ」
唯「あの、身長の高い人かい?」
蛍「そう。その人以外の生徒会って見たことあるか?」
唯「うーん、朝会で前に立っている人はいるけれど、誰が誰だか。高校に入ってから紹介も特にないね」
蛍「だよな。謎だ……」

蛍「ん、それ」
唯「あ、うん。君に買ってもらったストラップ」
蛍「バッグにつけたのか」
唯「そう。でもちょっと迷ったんだ」
蛍「なんで?」
唯「つけちゃうと、どうしても汚れちゃうから」
蛍「……できればつけてて欲しいぞ、俺は」
唯「そっか。……じゃあ、つけておくよ」
蛍「……」
唯「……ふふっ」
蛍「なんだよ」
唯「なんでもないよ」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


蛍「それじゃあ1年Cクラスの出し物はモダン食事処に決定で! 賛成の方は拍手をお願いします」

パチパチパチパチ

唯「うーむ、食事処といっても、いろんな種類があるよね。それにモダンまでついているのは……」
蛍「モダンがなんでついてるのかわからんな……。学園祭の定番っていうならやっぱりたこ焼きとか焼きそばとかだな」
唯「そうだね。でも普通の食事処じゃ人は来てくれないよ」
蛍「いつになく普通なことを言うな」
唯「買ってくれた人におさわり券をつけよう」
蛍「間違いなく怒られるな。色んな方面で」

唯「色々と考えてるうちに、もう空が真っ赤に」
蛍「そうだな」
唯「綺麗だね。机が反射して、教室まで彩られている」
蛍「お、おう……」
唯「ボクもなんだか……」
蛍(な、なんだ急に……)
唯「下が真っ赤に。これは生理だね」
蛍「んなこと言わんでいい!!」

蛍「ったく……」
唯「あはは、そんなに怒らないでくれよ。もちろん冗談さ」
蛍「冗談でも言うなよ」
唯「うん。でも今日じゃなくて良かった」
蛍「は?」
唯「ノーパンでアレが来ちゃうと、本当に大変だから」
蛍「お前……想像を絶するほどの痴女だな!」
唯「あああ、そんなこと言われると嬉しくて感じちゃうよっ!」
蛍「よ、寄るな変態!」

唯「逆効果になるというのに、君はボクに対して喜ぶことを言い過ぎだよ」
蛍「他になんて言えばいいんだ……」
唯「ふふっ、それもそうだね」
蛍「はぁ……ったく、そういうとこがなきゃ可愛いのに」
唯「……」
蛍「……ん?」
唯「か、可愛いって……そ、そんな……」
蛍「そ、そういうとこがなきゃってことだからな!」
唯「……そ、そっか……あはは……」
蛍(急に顔が真っ赤に!?)

唯「……」
蛍「……」
唯「……」
蛍「……」
唯「……」
蛍「……」
唯「あうう……」
蛍「いきなり頭を抱えるな!」

蛍「ほら、家着いたぞ」
唯「う、うん」
蛍「……え、えーっと」
唯「……さ、さよなら!」
蛍「あ、お、おいっ!」
蛍(……行っちまった)


To Be Continued.


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