「花街の剣の舞姫」あらすじ・第一話【完結済】
あらすじ
花街で育ち、遊女に育てられた舞姫・桃花は、七日に一度、妓楼の舞台で剣舞を披露する。ある日、いつも通り舞い踊り、出番が終わったところ、座敷に呼ばれる急展開。若く麗しい男・桃真に、王宮で行われる武闘会の前座で舞を披露してほしいと依頼される。
王宮で舞を披露したことで、花街で一生を終えるつもりだった桃花の運命は大きく動き出す。妃に気に入られ、客人として後宮に招かれることになったのだ。後宮で過ごすうちに、人々と言葉を交わし、触れ合い、凍りついていた心が溶かされていく。しかし、妃の毒殺未遂事件が起こり、桃花に疑いの目がかかってしまう。
やがてぶっきらぼうな桃花は、柔和な桃真に絆されていく。
第一話
華国・紫州。
花街にある妓楼・光雅楼に、桃花という少女がいた。
絹糸のような射干玉の髪が、しゃらりと背中を流れる。
蒼玉を嵌め込んだ瞳は、空の蒼さを映して煌めいた。ツンと目尻が持ち上がり、毛並みのよい黒猫を連想させる。
少女は剣を片手に、広い舞台の上で舞い踊った。
細い足首や手首に嵌められた銀の環が、しゃらしゃらと清涼な音を奏でる。
鼻から口元を覆い隠す面布が、少女の神秘性を高めていく。隠された素顔を追い求め、男たちは揃って虜になるのだ。
「あの可憐で妖艶な舞姫を手中に収めたい!」と。
そうして七日に一度行われる舞姫の舞台に、大金を叩いて通い詰めるのである。
空中に投げられた剣が、円を描いた。落ちてくる剣の刃に手のひらを滑らすように沿わせ、しっかりと柄を掴む。ダンッと一歩前へ踏み込むと、力強さに舞台が震え、空気すらも振動した。
少女がピタリと動きを止める。同時に演奏が止み、静寂が場を包み込んだ。
――一拍置いて、ワァッと歓声と拍手が鳴り響く。
剣を片手に、深くお辞儀をした桃花は、緩慢な動作で舞台から降りた。深呼吸をして息を整える。
舞台袖で待っていた禿たちが、頬を紅潮させて「すごい!」「きれい!」と誉めそやしてくれた。
桃花を育てたのは、光雅楼の女たちだ。桃花は遊郭で生まれ、遊郭という狭い世界の中で生きてきた。文句があるわけではない。乳飲子を道端に捨てることなく、今になるまで育ててくれたのだ。
楽器や詩歌、絵画に茶など、様々な分野に精通する女たちの下で芸事を学び、当たり前のように、自身も遊女になるのだと思っていた。
「お疲れさん、桃花。今日も大盛況だったねぇ」
「美姐さん」
金糸で大輪の華が咲き誇る緋色の着物をまとった、匂い立つ花のように美しい女だ。光雅楼で一番人気を誇る遊女・美美。
遊女の中でも一等上等な着物を着崩し、大きく開いた襟元は豊満な胸の谷間を強調している。結い上げた黒髪に挿した真っ白な花は、彼女そのものを表しているようだ。
美しい容姿もさることながら、詩歌や文芸に富み、太客を多数持つ光雅楼の稼ぎ頭で、桃花に剣舞を教えてくれた女だった。
今から九年前、当時の桃花は物心もついたばかりの童女で、同じ歳の禿より頭ひとつ分小さかった。禿や新造、非番の遊女に遊び相手をしてもらいながら、文芸やこれから必要になってくることを学んでいた頃、美美が光雅楼へやってきた。
遊郭に売られてくる子供は大体、七・八歳の年頃が多い。十二歳で光雅楼に売られてきた美美は、当時の光雅楼では異質で浮いた存在だった。
没落した武家の娘であった美美は、文武両道で見目も良く、教えたことの吸収も速かった。当時一番人気だった遊女の下に、禿としてつくことになったのも自然なことだった。
そして、桃花の遊び相手に美美が選ばれるのも必然だ。
美美は物知りで、遊郭の女たちとは違った知識を持っていた。その中のひとつが、剣舞である。
最初は剣の握り方や使い方だったのが、いつしか舞い踊ることに変わっていった。楽器も詩歌も身にならなかった桃花が、たどたどしいながらも、夢中になって剣を振り、踊る。
剣舞は、桃花ができる唯一の特技になった。
遊女としての才能はないが、手放すには惜しい見目をしている桃花。
楽器をかき鳴らせば不協和音を奏で、お酌をしても性格はぶっきらぼうでつっけんどんな上に気は利かない。ただし見目が良く、密かに人気があるものだから、店としても無下にできず、扱いに困っていたのだ。
舞い踊る幼子の姿に才能を見出した楼主の妻である内儀が、桃花を舞姫として育て上げることに決めた瞬間だった。
剣の舞姫として顔を隠し、七日に一度だけ舞台に上がる。桃花が舞えば、一夜にして莫大な金が動いた。奇しくも内儀の思惑通り、桃花は花街で一番の舞い手となったわけである。
舞姫の隠された素顔を暴きたい。もっと彼女を見たい、もっと彼女を知りたい。欲望に素直な男たちは、桃花の剣舞を見るために金を払い、足繁く光雅楼へと通うのだ。
「お客さんは?」
「アンタの舞を見ていたわ。これから部屋に行くところ」
「待たせてるんじゃないの?」
「それくらいがちょうどいいのよぉ。それに、今日の旦那様は新規のお客様だから、そんなにすぐ行ってもねぇ」
かすかに目を見張った。
美美は光雅楼イチの高級遊女だ。彼女の一晩を得るために動く金は、途方も知れない。古くから店を贔屓にしているお客か、美美に会うため毎日のように金を落としていくお客でなければ、夜を共にするどころか、顔を合わせて言葉を交わすこともできない。
彼女に新規客を当てるだなんて、どれだけの金を積まれたのだろう。今夜のお客はよっぽどの金持ちに違いない。
――まぁ、自分には関係ないか。
桃花は興味を失い、「そう」と小さく返事をした。美美のお客事情よりも、早く部屋に戻って休みたかった。
光雅楼の遊女には階級が存在する。
下から小雪、半月、大華の三つのくくりに分けられる。
客を取らず、舞うことだけが仕事の桃花は当てはまらないが、美美は最上級遊女の大華にあたった。大華の遊女を新規客に充てるなんてまずないことだが、店を切り盛りする内儀様の考えることは、桃花にはよくわからない。
光雅楼の楼主は大旦那だが、店の手綱と実権を握っているのは奥方である内儀だ。光雅楼で最も逆らってはいけない女性である。
「美美! こんなとこにいたのかい! お客様がお待ちだよ」
噂をすれば、黒髪を結い上げ、薄く化粧を施したキツイ顔立ちの美人が顔を出した。切れ長の瞳は眼光鋭く、そこらへんの若い衆にも劣らぬ負けん気だ。
大旦那は五十を超えるオッサンだが、内儀は三十半ばという歳の差婚。内儀も元は光雅楼の遊女だが、大旦那が惚れ込んで結婚に至ったらしい。大旦那にどこに惚れたのかと尋ねたら、「強気で勝気なところに惚れちまったのさ」と小一時間惚気を聞かされる羽目になった。
「おや、桃花もいたんだね。ちょうどいい、お前さんをご所望のお客様がいらっしゃるんだ。ついていらっしゃい」
「へっ!? な、内儀様、わたしは客を取らなくてもいいって」
「舞が素晴らしかったと、大層褒めていらっしゃったよ。話がしたいそうでね、客を取るわけでもなし、美美もつけているからいいだろう。ほら、しゃんとおし!」
バチンッと背中を強く叩かれて、全身が痺れる感覚に涙が滲んだ。どんだけ力強いんだ、このババア。
「何か言ったかい?」
「イイエ、ナニモ」
大華の部屋は最上階にある。部屋に着くまで、三人の間に会話はなかった。
頭の中を占めるのは「どうして? なぜ?」という疑問ばかり。
桃花は今年で、推定十六歳になる。性格な年齢はわからない。花街に売られてくる子供なんて大抵そんなもんだ。十六・七となれば、遊郭では水揚げされる年頃で、まさかと思わずにはいられない。
ぐるぐると螺旋状の階段を上って、ようやく辿り着いたのはえ縁起の良い鳳凰や赤い花が描かれた豪華絢爛な襖の前。
「旦那様、お待たせいたしました。当店随一の遊女・美美と、舞姫の桃花でございます」
内儀が襖を開き、室内へと足を踏み入れる。ついていく美美の見様見真似で、桃花も後をついていった。
「美美でございます」
はんなりと花の笑みを浮かべた美美の隣に並ぶ。ぼけっと突っ立っていると、脇腹に肘鉄を食らった。
「いっ……! タ、桃花でございます」
舞姫と呼ばれるようになってから、座敷に上がることはなくなった。禿の頃は何度か手伝いで座敷に出ていたが、それも片手で数えられるほど。楽器も弾けなければ、客を楽しませる冗談も言えない遊女だなんて金儲けにもならない。
遊女として立ち振る舞えばいいのか、それとも舞姫として立ち振る舞えばいいのか、どんな対応をすべきか悩んで、ただ頭を下げる。面布をしているから、表情を取り繕う必要がなくてよかった。
「それではどうぞ、ごゆるりとお過ごしください」
内儀が退出して、部屋の中に三人ぼっちだ。
新規客は、歳若く、麗しい美貌の色男だった。
遊女顔負けの艶やかな黒髪を背中に垂らし、涼やかな目元が桃花を見る。高い鼻梁に、薄い唇。薄蒼の衣を身にまとい、ゆったりと椅子に腰かけていた。
どこかの貴族か、豪商の息子だろうか。そうじゃなければ、美美を指名できる金があるはずがない。お坊ちゃんの豪遊かとあたりをつけた。
「僕は桃真だ。美美と桃花だね。楽にしてくれて構わないよ」
「桃真様、本日はご指名いただきまして、ありがとうございます。わたくし、驚きましたわ。新しいお客様につくなんて久々ですもの」
「まぁ、君を呼ぶためにそれなりに積んだからね」
何を? 金をだろう。
ふんわりと笑って事も無げに言う桃真は、金を使うことに慣れている御人であるのが雰囲気から見て取れた。
新規であろうと客は客。金さえ払えば浮浪者でもお客である。金が払えないならそれ以下だ。
金を払った(美美を指名できるほどの!)桃真は客で、それも上客になりうる客だと判断した美美は、たぷんと豊かな胸を揺らして桃真の側へ侍った。
夜の香りを匂わせる美美に、桃花はギシリと体を固くする。先にも述べた通り、座敷に上がるなんて数年ぶりだ。当時とはまた規則が変わっているだろうし、剣舞しかやってこなかった桃花は、居心地悪く視線を彷徨かせる。
「あらあら。桃真様がイイ男だからってそんなに緊張することないわよぉ」
「ち、違う! そうじゃない!」
「おや、僕はお眼鏡には適わなかったのか。これでも顔は良い方だと思っていたのだけれど」
「あ、そういうことじゃなくって……!」
……揶揄われている。
イジワルをする姐を睨めば、「怖や怖や」と肩を竦めて鈴を転がしたような笑い声をこぼした。
「そうねぇ、酒でも持ってきてちょうだいな。お酌なら、アンタもできるだろう。ついでに剣も置いてきたらいいさ」
白魚の指先が指し示すまま、これ幸いと足早に部屋を出た。
桃花がいなくなった途端、香の匂いが強くなった気がした。
若く麗しい御人の胸にしな垂れかかった美美は、声に甘さを含めて囁く。
「――それで、どのような御用があってわたくしを指名したのでしょうか?」
酒を持って戻った桃花を出迎えたのは、桃真ひとりだった。
「メ、美姐さんは?」
「お願いして、君と二人きりにしてもらったんだ」
「は、…………いやいやいやいや、わたしは客は取らない!」
「もちろん聞いている。店主と、その奥方には話は通している。僕は、君に用があって来たんだ」
酒を落とさなかった自分を褒め称えたい。
どうやら桃真の目的は、はじめから桃花だったらしい。
客を取らず、座敷にも上がらない舞姫を手っ取り早く座敷へ呼ぶには、最上級遊女を指名できる金があると示すことが必要だった、と。
面布の下で、頬を引き攣らせた。
きっと姐はダシに使われたと拗ねているだろう。あとから甘菓子でも持って機嫌を取らないと、数日は拗ねたまま口を利いてくれなくなる。そんな子供っぽいところも愛らしいと、客には人気だった。
面倒な客なら、そもそも内儀はいくら金払いのいい上客だろうと、美美を新規客にあてがわない。客を見極める内儀の目は、桃花も信用していた。
「君の噂は聞いているよ。花街一の舞姫。色変わりの瞳の美しい舞姫。実際に観て、感激した。剣を自分の手足のように扱い、一切の呼吸の乱れもなく三曲を踊り切った。細い体にあるとは思えない力強さに圧倒され、天女の如く舞う姿に息を飲んだよ」
「あ、……ありがとう、ございます」
褒められれば、素直に嬉しい。脳裏で情景を思い出しながら語る桃真に、気恥ずかしくなる。
お客様と接することのない桃花は、面と向かって賛辞を述べられることなんてなかった。拍手や喝采を受けるのみで、遊女や禿から労わられるくらいだ。
目を眇めて見つめてくる桃真は、「男共が、素顔を暴きたいと言っていたのがわかる」と呟いた。
なぜ遊女ではないのかと首を傾げるほど、舞台上の桃花は美しい。しかし、舞台から下りた桃花を目の前で見て、桃真はあどけなく可愛らしいと思っていた。
舞台の下から見上げた美しい舞姫と、ぎこちなく照れ笑う可愛らしい少女の差異に、桃真はまだ少ししか酒を飲んでいないはずなのに、酔ってしまいそうだった。
蒼い瞳を伏せ、ぎこちなく隣へ座った桃花は、慣れない手つきで酒を注いだ。
禿に用意させた白酒は、口当たりはまろやかで香りも濃厚であり、飲みやすいが度数が高い。ついつい飲みすぎてしまうと、次の日に後悔する良い酒だ。
舐めるように一杯を呑んでしまった桃真に目を見張る。
空になった杯に酒を注ぎながら、早くこの時間が過ぎればいいのにと願う。姐さんたちのように口も上手くないし、会話下手だから話も広げられない。
ただ時折、桃真の言葉に相槌を打ちながら、酒を注ぐのを繰り返した。
「あの、わたしに用があるって……酒を注がせたかっただけ、ですか?」
「――あぁ、初々しい君が可愛らしくて、本来の目的を忘れるところだった」
「そういうのは、姐さんたちに言って、ください」
きらきらしい顔面で甘い言葉を囁かれると、砂糖を吐きそうになった。
げんなりとして甘やかな顔から目を逸らす。
「来月に王城で、武闘会が開催される」
「はぁ、舞踏会」
「戦う方の、武闘会だよ。有体に言ってしまえば、門番から近衛側近精鋭兵まで入り交じっての腕試し大会ってところかな。普段厳しいあの上司に下克上、なんて目標を掲げている人たちもいてね」
「はぁ……それで、その武闘会とわたしと、何が関係あるのでしょう?」
桃真は酒が回っているのか、かすかに赤らんだ頬を笑みに緩ませて続きを口にした。
「五、六年ぶりに開催されるとなって、大将たちがとても張り切っているんだ。会を盛り上げるために、花街から遊女を呼ぼうって話になって、そのお願いをしにここを訪れたわけなんだけども」
「なおさら、わたしではなく美姐さんや杏姐さんのほうがよかったんじゃ」
「僕は、君が良いと思ったんだ。剣の舞姫と名高い君に、武闘会を盛り上げる前座として剣舞を披露してもらいたい」
「――……は?」
ぽかんと間抜けに口を開いたまま、固まってしまう。
蒼い双玉が、吊り灯篭の光を受けてきゅるりと煌めく。
空のように澄んだ蒼というよりは、陽の光の届かない深い海の色のようだと桃真は思った。
この国の民にはない、珍しい色だ。面布によって顔の下半分が隠れているが、どことなく異国の情緒を感じさせる顔立ちだった。
顔を隠す面布が、少女が神秘的な雰囲気を助長させる。週に一度だけ舞台に上がる舞姫を見るためだけに、男たちは大金を叩いて一等良い席を買うのだ。
舞っている姿を見るまでは、尾ひれのついた噂だろうと高を括っていた。実際にこの目で見て、なんということか、想像していた倍以上に素晴らしい舞だった。
側から経費で落とすつもりでいたので、金を惜しまず最前席を取ったのは正解だったわけだ。最前の席ともなれば、大華を買うのと同じ値段だが、金額にふさわしい舞台だったと大満足である。
汗臭い武闘会の前座を彼女が務めてくれたなら、会場の空気も澄み渡るだろう。青空の下で舞う彼女を、想像して頬が緩んだ。
「や、いや、待って、武闘会って、王城なら、王様とかも見るんじゃ」
「そうだね。でも、君はそんなこと気にする性質なのかい?」
「気にするに決まってるだろ! わたしなんかよりも、もっと素晴らしい舞い手がいる」
「そりゃそうだろうね。けれど、僕は君がいいんだ。君の舞は粗削りなところもあったけれど、心がこもっていた。見る者を感動させ、心を動かすものがある。洗練された動きで、指先ひとつひとつが繊細で美しい。僕は、君の舞をぜひ我が君に観て欲しいと思ったんだ」
まるで口説かれている気持ちだ。
他じゃなく、桃花の舞がいいと彼の御人は言う。これ以上ない誉め言葉に、顔が熱い。
「店主殿は笑顔で良いと仰られた。奥方は、君が良いと頷けば良いと。僕は今日、この夜の出会いに感謝している。天女のように素晴らしい舞い手と出会えたのだから。あとは君さえ頷いてくれればいいんだ。もちろん、謝礼はする。金でも反物でも、なんでも用意させよう」
真っすぐな瞳に見つめられ、熱い頬を隠そうと膝を見つめた。
「――わかりました。わたしでよろしければ、そのお話、お受けいたします」
熱烈な言葉に、桃花は頷くほかなかった。
「本当かい!? よかった……! これで僕の首も飛ばずにすむ!」
「ひぁっ!」
酒の勢いもあっただろう。喜びの感情が赴くまま、桃真の腕の中に閉じ込められた桃花は、勢いよく手を振り上げる。
バッチーンと、苛烈な音が弾けた。
頬にモミジの痕を付けた色男は、ご機嫌に光雅楼を後にしていった。
翌日、赤い頬で王城へ出仕した桃真に、周囲があらぬ噂話を広げることになるとは、当の本人も知らぬところであった。
第2話↓↓↓