【ダイヤモンドができるまで】「モノラル・ダイアローグス」感想
遅ればせながらシャニマスのイベスト「モノラル・ダイアローグス」を読んだ。ツイートでは収まりきらないのは間違いないくらい色々と言いたいことが湧いてきてしまったので、思い浮かぶままに書いていく。
今回のストーリーを経て、シャニマスがSHHisの物語によってやりたいのは「ダイヤモンドができるまで」を描くことなのではないかと思うに至った。ダイヤモンドという宝石は、地下深く、6万気圧という凄まじい圧力がかかり、2000℃という恐ろしい高温のマントルの中で炭素同士が結びつき、それがマッハ1.8という尋常では無い速度で地表まで噴出することによって誕生するものなのだという。ネットで軽く調べて得た知識なので数字は色々間違っているかもしれないが、大枠としてそのようなものであると認識しておいて問題は無いだろう。
その事実を思うと、今回のストーリーがあれほどまで殺伐として重く、苦しかったのも納得がいくのだ。だってダイヤモンドなんだから。SHHisはユニットの紹介文や過去のイベントストーリーのタイトルなどで、ダイヤモンドがモチーフとして使われていることが多かった。今回のストーリーは、そんな、ダイヤモンドが象徴になっていると言えるユニットであるSHHisを始めるためのものだということが、作中では明示されていた。つまり、今回のストーリーに満ちていたあの恐るべき苦しさは、ダイヤモンドを生み出す=SHHisを始める、のに不可欠である過酷極まる環境の比喩的なものだったのではないだろうか。
耐え難い烈しさをもってぶつかり合わなければ、ダイヤモンドにはなれない。だからこそ、彼女等はあんなにも極限まで追い込まれたのだろう。今となってはそう思う。だが読んでいる最中の気持ちはもう少し漠然としていた。全力でぶつかることで、ひとつにはなれないにしても、今より良い形になるためにこういう展開になっているのだろうなと思った。なので終盤の私は「戦え!!!!
戦え!!!! 戦え!!!!!」と、進撃一期のエレンよろしく心の中で叫んでいた。そうか分かった、こいつらもう刺し違える覚悟で本気の戦いやんなきゃ分かり合えねーんだな、よし、やれ、存分にやれ、死ぬ気で、殺す気でやり合え、と応援していた。
読んだ人ならおそらく誰もが思っただろうけど、当然「こいつら」の中には緋田美琴、七草にちかだけでなく斑鳩ルカも含まれている。今までは正直、紆余曲折あってもルカはSHHisには加入せず、ソロアイドルとして283に所属するんじゃないかと考えたりもしていた。でも今回で確信した。ルカはSHHisに加入する。ルカなくしてSHHisは完成しない。最後に椅子が三脚映し出された時点でもそう感じたが、今こうして感想をまとめていく中でその思いはさらに強まった。斑鳩ルカはきっと、最初からそのために用意されていたんだろう。気圧と温度と速度を天井まで上昇させるために、ダイヤモンドの生成条件を満たすためには彼女は欠かせなかったんだ。
ルカについてはもう少しどうしても触れておきたいことがある。それは彼女の母親についてだ。エピローグで天井努がルカの母のことを「あの人」と言っていたのを見て、まさか元妻とかか、ってことはルカは天井の娘!? とか思ってしまった。その可能性も無くは無い気がするが、別の可能性として、ルカの母は八雲なみであるというものもあるのではないだろうか。いやむしろその可能性のほうが圧倒的に高い気がする。そう考えるとルカが283を憎み、天井に対しても親の仇であるかのごとき憎しみを向けている謎について辻褄が合ってきてしまう。何ならルカの母は八雲なみで、なおかつ天井の妻もしくは恋人だった人物、ということすらありそうだ。なんて昼ドラ、でなければ韓流ドラマ、という感じだが、当たらずとも遠からずな推測である気がしてならない。ワクワクするね(ゲス顔)
というところで、ひとまずは筆を措くことにする。本当に、どえらい話だった。150点くらいのが来ると構えて臨んだら500点で思い切り頬を張られたからヒリヒリしてしょうがない。でも今の私はそんなシャニマスくんに自ら率先して反対の頬を向けている。どうか早くもう一度立ち上がれなくなるくらい強烈な平手打ちをぶちかまして欲しい。
あ、ひとつ付け加えるとしたら、美琴の咳なんだけど、まさかまさかまさかそんなことはしないとは思うけど、あれ結構な重病のフラグだったりしないよな、それで年単位で美琴が再起不能になってやむなくにちかとルカが二人で組まされる、とか……さすがに無い……よね……? そうだよねシャニマスくん……? 全然そういうのも歓迎ではあるけど……???