【本町人物名鑑】 多くの飲食の経験を活かしての居酒屋 奥のかど店主 熊崎克巳さん
白河市本町北裏で居酒屋「奥のかど」を経営する、熊崎克巳さん。
様々な地域で多くの料理を提供してきたキャリアを活かし、白河でコロナ期間中にお店を開きました。そんな熊崎さんが大切にしていること、思いをこれまでの人生を振り返りながらお伺いしました。
熊崎克巳(くまざきかつみ)
1977年福島県白河市関辺生まれ。3兄弟の長男であり、好奇心旺盛なこどもだったという。
小学生の頃から自分で取ったドジョウや栗を売ってくるように親に言われてきため、商売人の気持ちを知っていた。小さいときから親父の寿司屋を継ぐと思っていた。
多くのことを学んだ子供時代
学校の門をくぐったら裸足で生活をするという学校(関辺小学校)で小学生時代を歩みました。裸足で校庭を走って足を洗って教室へ行くのです。小学校6年生までには一輪車や逆立ちで校庭一週とかはみんなあたりまえにできますね。
小学校は人数が少なかったためメンバーがずっと一緒だったのに中学校では11クラスもあるマンモス校でした。よく実家の寿司屋のお手伝いをしていて片付けを早く終わらせるために大きなおぼんで食べ終わったお皿とかを片付けていたのを思い出します。そのおかげで背筋はとてもついていた方だと思います。そんな中学生の時に親父が「おまえには絶対寿司屋なんてできないよ」と行ってきたので、反抗心で寿司屋を継いでやる!という気持ちはありましたね(笑)。
高校はアルバイトばかりしていました。中学校を卒業してから仕事をするという選択肢もあったのですが、高校に行くことによってコミュニケーションをとることや大人と会話をすることを多くできたので、大人になるための準備ができたのではないかと思っています。
学生から大人へ
高校卒業後はいわき市の寿司屋で働いていました。修行してから2・3年ぐらいの20歳のときに早くもカウンターで寿司を握ってましたね。
寿司は握ることはできたのですが、最初の挫折を味わうんです。それは、お客さんとの会話がもたないということです。社長さんとかと喋る時に話している内容が難しくてついていけなかったのです。でもこの挫折は多くの大人たちによって助けられました。多くの大人たちと会話をするように意識してみて気がついたんです。大人だからって同じ話をしなくてもいい。自分らしく話をしていればいいって。それに気づいたら話すのがとても楽しくなりました。
話すのが楽しくなってから意識し始めたこともあります。それは、その人がどんなことを思っているか気を使うことです。自分が暑いなと思っていても、それは自分が動いているからで、お客さんは寒いと思っているかもしれない。そんなときに聞いてみたり、お客さんの大好物が分かっていたとしても一度「今日は○○食べますか?」としっかり聞いたりするといったことは意識していますね。
⇑ランチのサーロインステーキ重とお刺身重
今までのキャリア
いわきで料理人をしてからはその後、郡山で寿司屋を立ち上げ、うまくいって東京の目黒と神田、銀座で店を任せてもらいました。
銀座で働いた後は、栃木で1泊5万のホテルで料理つくりました。
東日本大震災後には調理学校の先生をやったり、任された栃木の居酒屋でやってみたり、栃木の大江戸温泉で料理をしてみたりと点々としましたね。
そして、白河で現在の店を開けました。コロナ期間中の7月11日ですね。
(県内感染者8月は72件に対し、6月は1件、7月は7件と落ち着いていた。)
基本的に全部自分でお店を作ったのですが、仲間からの応援もあってすぐに開店できました。開いてから半年たったのですが、親父が白河で寿司屋をやっていたので「あそこの息子が帰ってくる」ということでお客さんは多く来てくれています。
自分の料理で「おいしい」って言ってくれるのがとても楽しい瞬間です。「自分の料理のことを理解してくれる人を何人集めるかで飯が食える」と考えいて、絶大な信頼を作り、大大大満足ぐらいになってもらわないと人は来ないと考えていますね。自分をさらけ出してこれからも商売していきます!
⇑熊崎さんのキャリア上、寿司も懐石料理もパスタも中華も何でも作れる
そして白河へ
白河で好きなところは自然です。自然の臭いが好きで、自然をみることによってその日の料理を決めたりもしますね。また、帰ってきて親父と話す機会も増えました。子供の時はあまり仲が良くなかったのですが、仲良くしています。
白河の高校生には、どんどんいろいろやってほしいと考えています。私たちが年取って思いつかないようなことを企画してやってほしいです。みんなの力を合わせて何ができるか考えることはとても大事だと思うし、何でも試してみてほしいです。多くの経験を積むことが大切なので頑張って欲しいです!
編集後記(インターン生 みさと)
「奥のかど」へは一度食事に行っており、その時ちらっと話してくださった店主のお話・今までのキャリアが興味深くて今回インタビューさせていただきました。
「食べたいもの言ってみ。材料あればつくるよ」このスタンスかっこよくないですか⁉
多くのキャリアを積んできて、失敗成功多く経験されてきてここに至ったんだと感じました。そんな熊崎さんが語る一言一言は嘘がなくて、本当にかっこよかったです。そんな空気感がこの記事から伝わると嬉しいです!