R3BYって何の略でしょう?【酒業界に詳しくなろう】
蔵人です。
6月は決算月となる蔵元が多いです。
というのも酒造年度をそのまま会計期間にしている蔵が多いからだそうです。
酒造年度というのは清酒の原料となる米の割り当てを
加味したスケジュールが基になっていて、国税庁より昭和40年に
「酒造年度は7月1日はじまりで翌年6月30日まで」
と通達があり、それ以来かわっていないようです。
当社では清酒はつくっていないので、蔵人はこれが便利なのかどうかはあまりピンとこないのですが、芋焼酎は早いところで7月下旬から芋の収穫が始まりますから、芋焼酎の蔵元にとっては7月から新年度であるとなんとなく都合がいいように思います。
酒造年度は英語表記した際の「Brewery Year」から頭文字をとって「BY」と表記します。
令和3酒造年度は「R3BY」といった感じです。
お酒造りに関わらない方にはまったくなじみがないかと思います。
実際、酒造年度が書いてある焼酎も見かけないですよね。
新酒で謳っている銘柄には書いてあるかもしれません。
あまり人目につかない「酒造年度」ですが、
本格焼酎鑑評会で出会うことができます。
新酒の品質・調査を実施する場として、鹿児島県酒造組合主催の
「本格焼酎鑑評会」と熊本国税局主催の「酒類鑑評会」というものが
あります。(熊本国税局は熊本・鹿児島・大分・宮崎を管轄しています)
鹿児島県酒造組合の鑑評会が1月、熊本国税局が3月(2月予審、3月決審)に開催されます。
そこで鹿児島県酒造組合主催の「本格焼酎鑑評会」は『令和〇酒造年度本格焼酎鑑評会』となっているんです。酒造年度あったぁ!
ちなみに熊本国税局主催の「酒類鑑評会」は酒造年度を使わず、『令和〇年酒類鑑評会』となっています。…これが混乱を引き起こします。
いまいち伝わりにくいんで例に出しますが、
令和3酒造年度製の同じ焼酎でも鹿児島県鑑評会では
「令和3酒造年度入賞酒」となるところが、
熊本国税局では「令和4年入賞酒」となります。
わかりますか?…ややこしいんです。
入賞歴の整理する際に頭の中がごっちゃになります(泣)。
実は困ったことは他にも…。
社内でのやり取りは基本的に酒造年度で行うのであまり違和感ないのですが、
官公庁に提出する各種報告書は4月はじまりの翌年3月締めになっているので、これまた報告する際にまとめ直さなければならず、う~んとうなってしまいます。
資料を作るために手書きで書きだすこともしばしば。
4月から6月の間はこういった報告書関連が多く、梅雨空のようなもやっとした気分になりがちです。
…さぁ、今週で令和3酒造年度もおわり。週末からは令和4酒造年度のはじまりです。
来シーズンの製造計画に目処がつき、あとは芋の生育を願うばかり。
南九州はもう梅雨明け。
そわそわする時期になってきました。
令和4酒造年度もはりきってがんばりたいです!
編集後記
じゃあ酒造年度とかややこしい事やめたら!?!?!?
と思うのですが、そうもいきません。
業界には業界のルールってもんがあるっつーもんだ。
そんな言葉が聞こえてきそうなので、このへんで。