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肉体の知性との共同作業 その2
前回の記事に書いた、「肉体の知性との共同作業」。
私はこれを、「オステオパシー」を通じて学びました。
しかし、肉体の知性と共同作業することは、施術の方法をオステオパシーに限定するものではありません。
施術者に肉体の声を聴く姿勢さえあれば、方法はなんでもいいんです。
鍼でも、お灸でも、マッサージでも、カイロプラクティックでも、整体でも、ストレッチでも、ヒーリングでも、或いは全くの素人の手当てでも。
登山者に見合うルートがあるように、クライアントの「肉体の知性」は、それぞれの施術者に相応しい道を示してくれます。
相手のパーソナリティーと肉体を尊重して、「その感覚」がやってくるまで、ただひたすら待つ。
あらゆる価値判断や思考を捨てて、不安も期待も意図も捨てて、心をニュートラルして、施術者が静かに「今ここ」に在り続ける。
私は、足に触れて待つことをオススメしています。
なぜなら、頭から一番遠い足は、お客さまの意識(警戒や緊張)が働きにくいからです。
話をしたいお客さまなら、会話をしながらでも大丈夫。
私もよく会話をしながら施術をしています。
会話をしながらでも、施術者が心をニュートラルにしていられれば、且つ手から伝わってくる感覚情報の収集と、会話に使う思考とを同時進行で分離できていれば、何の問題もありません。
実際に何らかの調整に入る前に、足に触れて静かに肉体の声を聴く時間をつくる。
そこで感じられた情報を基に施術を進めていくと、毎回ルーティーンでやっている施術よりも面白い結果が生まれると思います。
最初はたった5分でもいいと思います。
大胆に開き直れる方は、もっと待ってみてください。
また、施術者が自らをニュートラルにして相手の身体を感じているだけでも、何らかの変化が生まれます。
(触診や動診の方法を知っている方は、身体の変化を観てみると明らかです)
だから、施術の最初にそういう時間を持つことは本当に無駄ではないんです。
私はこのことを何年もかけて知りました。
私の言葉が信じられる方は、何も期待せずに実践してみてください。