SGW杯予選14枠

皆様こんばんは。
天元戦第1局は劇的な半目勝負でしたね。
両者の実力が伯仲していることを改めて感じました。

さて、本日は第7回SGW杯中庸戦予選14枠の対局をご紹介します。
なお、SGW杯の棋譜は全局日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されています。


1図(実戦)

1回戦、高橋秀夫七段(黒)と桑原陽子六段の対局です。
左上の戦いで白が後退して、中央に黒の勢力ができています。
これを生かすには・・・。

2図(実戦)

黒1とハネ出したいところです。
白10と切られて困るようですが、黒としては要石の黒1さえ取られなければ良いのです。
黒3を取っても白が生きるわけではありませんし、右側の白も弱くなっています。
こうなると黒×の壁が強烈な存在感を放っていますね。

3図(実戦)

白1に対してコウを争わなかったのは、形勢に自信があったからでしょう。
黒Aによる4子取りを残しつつ、黒10まで攻めながら下辺に進出して十分というわけです。

4図(実戦)

白5の取りを待って、黒6から切断したのが決め手となりました。
白13まで黒も大石を切り離されますが、黒16で大丈夫と読み切っています。
この後白Aから取りにこられましたが、逆に白を取って決着しました。


5図(実戦)

準決勝、奥田あや四段と高橋七段の対局です。
黒△と打った場面は黒優勢です。
白の形が薄いため、白Aと守っていれば無難ですが・・・。


6図(実戦)

白1~黒6を決めて、白7の割り込み!
強引に黒を切断しました。
狙いは左の中央黒大石です。


7図(実戦)

黒1、3に石がきて、右の白が弱くなりました。
失敗したら白には何も残りません。
しかし、黒9と打たれると周囲の白の形があまりにも貧弱で、ぱっと見成功しそうにないと感じます。
奥田四段としても、むしろ勝ちを決めるチャンスと思ったのではないでしょうか。
しかし、高橋七段としてはここで勝負をかけるしかないとみたのでしょう。


8図(実戦)

白7まで黒を切断しました。
問題は上辺白ですが、黒は2と×の石を両方助ける必要があり、それが意外と難しいのです。
結果、白が黒大石を仕留めて中押し勝ちとなりました。


9図(実戦)

決勝、武井孝志八段(黒)と高橋七段の対局です。
右上の戦いで白優勢になっています。
ここで黒△と白大石に猛攻をかけてきましたが、白はどう対処したものでしょうか?


10図(実戦)

受けずに白△!
AとBの2つの切りを狙った手筋です。

11図(実戦)

黒1と打って両方の切りを防ぎました。
しかし、白4と切って右上黒全体を脅かしています。
白6の後黒Aと中央を守るのは、白Bと飛び込んで黒に生きがありません。
白大石との攻め合いも白有利です。

12図(実戦)

黒1と右上を生きたのは止むを得ませんが、白6まで黒×を取り込んで凌いでは白大成功です。
この後、下辺黒模様も荒らして勝ちを決めました。
高橋七段が本戦に進出しました。
勝負の流れとはいえ、3局連続で大きな石を取るとは珍しいですね。
すごい剛腕でした。

これでSGW杯は全ての予選を終了しました。
しかし、実は見逃していた枠が1つありまして・・・😅
近日中にご紹介します。


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