SGW杯予選11枠
皆様こんばんは。
本日は9/30(月)に行われた第7回SGW杯中庸戦予選11枠の対局をご紹介します。
なお、SGW杯の棋譜は全局日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されています。
1回戦、大場惇也八段(黒)と穂坂繭三段の対局です。
白△のノゾキは形の急所ですね。
黒Aとつなげば白Bと引き、黒の形を崩しながら一方的に攻められます。
しかし、ここで黒1、3とツケ切ったのが手筋でした。
ただ守るのではなく、白に弱みを作ろうというのですね。
この手の良いところは、黒7の後白A、黒B、白Cと取ってくれば、黒DとEを利かして先手生きということです。
黒1と5に石がきたことがプラスになっているのです。
攻防一体の打ち方ですね。
白1~5と中央作戦を採りましたが、黒4と取った手が大きいです。
さらに、黒6と動き出した手が厳しく決め手となりました。
白13まで左上白を生きましたが、黒14まで白模様が消滅して勝敗決しました。
準決勝、大場八段(黒)と三村智保九段の対局です。
本命同士の決戦でしたね。
白1、3と歩を進めましたが、これは勇み足だったようです。
黒2に石がきたことで、白の連絡が薄くなっています。
白5、7で形を整えにかかりますが・・・。
黒5の両ノゾキ!
大場八段らしい直接攻撃ですが、これが強烈でした。
黒3、5が利いているので、黒には弱点がありません。
黒9まで分断に成功、白の息が詰まりました。
黒△まで、大石を仕留めて黒中押し勝ちとなりました。
AとBが見合いで、右下白大石に生きがありません。
決勝、佐々木毅六段(黒)と大場八段の対局です。
黒△に対して、Aの断点をどう守るのが良いでしょうか?
白AやBでは、ただつながっただけで働きに欠けます。
ここは白1、3が緩みの無い形ですね。
Aの断点を残しつつ、自身の眼は厚くなっています。
白5まで白に弱い石が無くなり、有利な序盤戦となりました。
黒1で右下白に脅しをかけますが、構わず白2、8と黒を裂いていきました。
こうなると黒×が弱く、白有利な戦いです。
白が着実に優位を拡大していきました。
白1のグズミは驚きの一手でした。
いかにも働きの悪い手ですからね。
しかし、これは形勢が大きく離れているという判断によるものでしょう。
黒A、白B、黒Cの切断を防ぎ、相手に一切チャンスを与えないつもりです。
事実、この後波風の立つ瞬間はありませんでした。
白中押し勝ちとなり、大場八段が本戦に進出しました。
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