SGW杯予選4枠

皆様こんばんは。
3週間ほど前に全国高等学校囲碁選手権大会の全国大会が行われました。
9/15(日)にNHK Eテレの囲碁フォーカス(12時~12時30分)にて特集が放送されるそうです。
短い時間ですが、私の解説も放送されます。
ぜひご覧ください。

さて、本日は8/12(月)に行われた第7回SGW杯中庸戦予選4枠の対局をご紹介したいと思います。
なお、SGW杯の棋譜は全局日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されています。


1図(実戦)

1回戦、川田晃平六段(黒)と富士田明彦七段の対局です。
白△と仕掛けていきました。
白の狙いは何でしょうか?

2図(参考図)

黒1、3と対応させれば、白4と出る手が効果的になるというわけですね。
白8までは黒ハマリの図です。
ということで、黒は別案を考える必要があります。
もっと手堅く受けるか、いっそ手を抜くか、あるいは・・・。

3図(実戦)

実戦は黒1、3と反撃しました。
こういうところは棋風が出ますね。
黒11の後白Aと切り、難解な読み合いに進んでいます。

4図(実戦)

結果、白△まで進みました。
白×を捨て石に勢力を築き、黒×を宙に浮かせています。
白が上手く捌いて優勢になりました。
この後黒も粘って勝負に持ち込みましたが、最後は白が大きな黒石をちぎって勝ちを決めました。
結果は白中押し勝ちとなりました。


1図(実戦)

準決勝、富士田七段(黒)と大森泰志九段の対局です。
白△と打たれた場面ですが、黒Aと受けるのは白Bと閉じ込められてつらい限りです。
かと言って、黒Bに打つのは白Aと急所に迫られて参ります。
どうしたものでしょうか?

2図(実戦)

ということで、黒△がこの際の形で正解です。
速度と安全性のバランスが取れています。

3図(実戦)

白3から5と切られましたが、白3を取って眼が厚くなりますし、何より黒8のツケコシが成立することが大きいですね。
白A、黒B、白Cと頑張るのは、黒Dで困ってしまいます。

4図(実戦)

黒4まで頭を出せたので、上辺白が薄くなりました。
白5と守っている間に黒6にも回り、黒優勢です。
相手の隙を突くお手本のような捌きでしたね。
結果は黒中押し勝ちとなりました。


1図(実戦)

決勝、安達利昌七段(黒)と富士田七段の対局です。
黒△の押しに対して白Aなら穏やかですが、黒Bと打って黒もつながります。
白C、黒D、白E、黒F、白Gと切るのは、黒Hから反撃されて白無理です。


2図(実戦)

実戦は白1と押さえました。
当然黒4と切られますが、白×を捨て石に勢力を築き、外側の黒に襲いかかろうというのですね。
思い切った作戦です。

3図(実戦)

黒7まで突破しましたが(黒3はAの所)、白8と黒×の退路を断ちました。
白10はモタレ攻めですね。

4図(実戦)

その後しばらく進んだ場面です。
黒1とコウを仕掛け、黒3とコウ立てしましたが、ここで白4の手筋が決まりました。
黒Aと取るのは、白B、黒4、白Cとなって黒が困ります。
結果、黒×を抜くことになっては白大成功です。
それでも難しい形勢でしたが、その後の寄せ勝負を制して白5目半勝ちとなりました。
富士田七段が本戦進出を決めました。


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