ニワトリに良い暮らし、地球にも良い暮らし
農園では約30羽の鶏を「平飼い」という方法で飼育しています。
平飼いというのは鶏小屋の中で、鶏たちが自由に動き回ることができる飼育方法です。
「え??そんなの当り前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、日本では狭く区切られたカゴ(ケージ)の中で飼育する方法が圧倒的に主流です。ほとんど身動きもとれないところに閉じ込められ、卵を産むためだけに生かされている鶏たちがたくさんいます。
白井自然農園では平飼いに加え、さらに鶏たちの暮らしを考えた「自然養鶏」という理念を大切にしています。
自然養鶏にきちんとした決まりはありませんが、
以下のようなことが挙げられます。
自然の光や風が小屋に入ること
床が土であり、鶏にとって重要な「砂浴び」ができること
エサに遺伝子組み換え作物を使用しないこと
ワクチンや薬に頼らないこと
”自然の摂理に従い、自然のありようを学びながらつくる養鶏法です”
窓もない閉じられた空間で、徹底的に消毒され、薬によって守られているかにみえる鶏は、本来の自然の力を失い、とても弱い存在になっているとは考えられないでしょうか?
昨今の鳥インフルエンザの発生状況とその対策には、疑問がつきまといます。
エサについては、地域の未利用資源を活用しています。
未利用資源とは簡単にいうと「今まで捨てていたモノ」です。豆腐を作るときに出る「おから」や果物の「搾りかす」、酒粕やビール粕など、産業廃棄物といわれるものが立派なエサになります。
当農園では、近くの農産物加工場のおからを頂いたり、営農組合からくず米を購入したりしています。もちろん自分のところのサツマイモや野菜の残渣も与えています。
捨てられるものを食べてくれて、卵を産み、糞は田畑の養分になり循環します。
廃棄物(特に生ごみ)を焼却処分するには大きなエネルギーがかかりますし、エサを海外からの輸入に頼ることも、持続可能性が低いです。最近は肥料の輸入がストップしていると聞きます。遠くのものが手に入らないと騒ぐより、身近にあるものにもっと目を向けてもよいと思います。
昔はどこの家にも鶏がいたそうです。うちの鶏を見て懐かしがられる方も多いです。昔と言っても100年も前の話ではありません。この50年、60年の変化の速度を改めて感じます。
変化は良いことばかりではありません、地球の環境問題もその一つでしょう。
環境問題の解決に、今後の持続可能な暮らしに、
にわとりは良きパートナーになってくれる、
そんな気がしています。
(今後、羽数を増やしていこうと思うとエサが足りなくなるので、お近くの方で未利用資源をご存じの方がいたら、ぜひ教えてください!)