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【感想】親愛なるあなたへ

 今年に入ってから積読が増えつつある。と言っても、一度読み始めればあっという間に読んでしまうので、買っては一冊読み終えまた本を買ってきては一冊読み終えての繰り返し。
面白いと感じればすぐに読み終わるのだけど、読みづらさを感じるとどうしても時間がかかる。
この「親愛なるあなたへ」はそんな一冊だった。
お勧めする層としては、ただなんとなく生きながらも何か熱がほしいと感じている人向けだと思う。創作する人は登場人物のハルに感情移入できるんじゃないかな。物を生み出すときの苦しみや熱量は、このハルという人物がうまく代弁してくれる。
ただ、この話は群像劇にあたるのだけど、群像劇としては少し読みづらい。テンポ感も話の仕様上あまりよろしくはないので、読むのに時間もかかってしまった。
内容としては私にはそこまで響かなかったのだけど、あるセリフには心を救われた。

少しだけ話は逸れるのだけど、生きている限り好き嫌いというものは必ず出てきて、中でも「好きなのに、好きな筈のものを素直に好きといえない瞬間」という感情をもったことがある人は少なからずいると思う。私もそんな人間の一人なんだけど、この本には複雑な気持ちを救ってしまう一言が綴られている。
だから私はこの本に対して、好き嫌いではなく「学びとしての本」だと思っている。

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