「興味のない人に興味をもってもらう」について考えてみる

先日、昆虫大学非公式後夜祭(だったかな?)というTwitterのスペースを聞いていると、「虫に興味がない人にいかに伝えるかが課題で…」というお話が聞こえた。

虫好きに限らず、生物好きならば昨今の土地改変や気候変動により生物の生息が脅かされている、だから多くの人にまず興味を持ってもらうことが必要だ…というようなことを考えるだろう。自然科学において、「興味のない人に興味をもってもらう」の緊急度や切迫度が高いのは生物ならではなのかもしれない。

しかし、「◯◯に興味がない」というのを外部から変えるのはなかなか難しいことであると思う。同じ自然科学分野でも、私はたとえば天体にあまり興味がない。このことを使って簡単に思考実験(?)をしてみたい。

興味がないんだから考えたこともあまり無いのだが、どうして私は虫と違って天体に興味がないのだろう。そして、何があったら興味をもつだろうか。

まず、うーん、人生であまり天体にワクワクしたことがない。星空を見て感動したことはあるが、どっちかというと景色に感動したのであって天体の奥深さや知識を楽しんだわけではない。プラネタリウムにも行ったことがあるし、学校の理科の授業でも天体について学んだことはある。しかし、プラネタリウムは「キレイだねー」で終わり、学校の授業で触れる天体は計算的な部分が苦手であまり好きではなかった。もっと知りたい、と思う前に、「スゲー!」みたいな心動かされることが無かったとも言える。

では、何があったら興味をもつだろうか?
たとえば、友達や親戚に天体好きの人がいて、「キャンプがてら星見に行こうよ!」とか、「隕石拾いに行こうよ!」と誘ってくれて、道中おいしいごはんを食べて、合間合間に知識(ただしわかりやすいやつ)をちょっとずつ教えてくれたら楽しそう。他力本願である。それか、さかなクンみたいに本人のキャラが好きで話も聞いてみよう、となったら興味をもつかもしれない。
あとは、そうだなー、、、やっぱ隕石拾ったらテンション上がると思う。レアだー!ってなって、調べたくなっちゃうかもしれない。

わかりやすくておもしろい天体の本があったらどうだろうか? うーん、「へえ〜おもしろそうだね。パラパラ…」で終わりそうだ。読むかもしれないけど、その後には続かなさそう。
そういえば、『チ。ー地球の運動についてー』という地動説にまつわる漫画を読んだ。ただ、私は漫画が大好きなので話題になっているということでこの漫画を読んではみたのだが、2巻までで読まなくなってしまった。いや、おもしろいとは思うんだけど、やっぱりあまり知識そのものに興味がなかったというか…。

ここまで書いてみて、隕石を拾うとか誰か身近な人が教えてくれるとか、そういうリアルな実体験に混じってこないと、キッカケが多々あっても深掘りしたくなることはないのかもなと思った。あとは、たぶん実際にそんなものは無いんだけど「天体環境の危機があって…」「守っていかなきゃ無くなってしまう」「私たちの生活にも間接的に影響していて…」と言われても、そうかあ。大変だ。できることはしていきたいね…みたいな玉虫色の感想で終わってしまうかもしれない。

結局は地道に周りの人から伝える、というのがいいのだろうか? 難しい。難しいからこそ、議論の課題として「興味のない人にも興味をもってもらう」がよく挙がるのだろうな(玉虫色の締め)。

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