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どのような人を幹部に登用すべきなのか

本日から新シリーズ「幹部に言えない社長の悩み解決大全」がスタート!
毎週火曜日に配信します!

中小ベンチャー企業の社長がよく悩まれるテーマ「幹部についての悩み」の解決策を紹介するマガジンになります。

事業開発やマーケティング、セールスなどの売上アップに関するテーマ、DXやAI、RPAなどのコストダウンに関するテーマの悩みはNO2や幹部に気軽に相談できますし経営会議のアジェンダにもなります。

一方、「幹部がなかなか育たない」「社長のおもいが幹部に浸透しない」等の幹部に対する悩みは幹部には言えません。

「幹部に言えない社長の悩み解決大全」マガジンは、社長の抱えるこのような悩みに寄り添い、解決策をお届けすることで社長を支えていく予定です。

第1回目は「どのような人を幹部に登用すべきなのか」になります。


1 幹部の前提条件からつくる

社長は、どのような人を幹部にしたいですか?

「そうだね、まずは成果だよね。成果を出す力があり部下を育成でき、部下からの人望があって、私と同じ目線の人間。こんな人を幹部にしたいね」

へー!どれもすごいで要件ですね!
私だったら社長の会社の幹部にはなれそうもありません。

「え!白潟さんでもなれない! そっか?少し基準が高すぎるかな? この4つすべてをクリアする人はそんなにいないかもね」

そうですよね、なかなかいないかもしれません。

そうであれば、幹部に登用する条件を決める前に、幹部候補になれる前提条件を作ってみてはいかがですか?

作る時のフレームワーク(切り口)は京セラの元名誉会長、故稲盛和夫氏が提唱する人生・仕事の結果の式を参考にし作成するといいかもです。

人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力

幹部の前提条件例を次の画像に示します。

このような条件を3つから5つぐらい作ります。
「そうだね、これからつくった方がいいかもね」

経営幹部の条件であれば、次の画像に示すようなもう少しレベルを上げた前提条件がおススメです。


なお、③能力に示す「部下の信頼を失う言動をしない」については、特定の言動を前提条件に設定してもいいかもです。

その際に、34年連続増収増益2兆円企業ドンキホーテのマネジメントの鉄則六カ条は参考になります。

第一条:威張るな
第ニ条:迎合するな
第三条:権力者になるな
第四条:恐怖支配をするな
第五条:多様性を認めよ
第六条:自己管理を徹底せよ

『運/安田隆夫(文藝春秋)』

2 幹部に登用する人を決める

幹部候補者になれる前提条件をクリアした人の中から、幹部に登用すべき人を決めていきますが社長は何を重視しますか?

「やはり、成果を中心に考えたいね」

なるほど、そうですか、たしかに成果を出す力は重要ですね。
ただ、次の3点に留意しましょう。

「3点? 何それ?」

①自部門だけでなく他部門の成果に貢献する意欲・力があるのか?
②今期の成果だけでなく、将来も成果を出し続ける可能性・力があるのか?
③成果を上げているから幹部にするのではなく、徳の高い人を幹部へする

「たしかに、他部門貢献と将来の成果は幹部になる人間には必要だね。徳は、もちろん、みますよ。」

ぜひ、そうしてください。

ここで、孔子の3段階の人物観察法を紹介します。

(視・観・察の3つをもって人を鑑別しなければならない)
 ① 第一に、その人の外面に現れた行為の善悪正邪を視(み)る。
 ② 第二に、その人のその行為の動機は何であるかをとくと観(み)きわめる。
 ③ 第三に、さらに一歩を進めてその人の行為の落ち着くことろはどこか、その人は何に満足して生きているかを察知する。

『論語の読み方/渋沢栄一(三笠書房)』

「なるほど、さすが孔子だね。行為が正しく、動機が正しくても、その安んじるところが正しい人でなければ、本当に正しい人であるかどうかはわからないということだよね。」

そうですね。幹部になって会社に貢献したという動機はよいけど、実はお金・贅沢が本人の満足だったならば、部下の成長は真剣に考えない可能性があるというような人物の見方ですね。

「今まで、動機まではみてたけど安んじることろまではみてなかったな。幹部登用時には参考になるね。」

そういう意味では、社長の会社が何のために存在するのかというミッション/企業理念に幹部が賛同・実践していることは極めて大事ですね。

会社の存在意義であるミッション/企業理念への体現が、自分の満足につながるような人物でれば会社の幹部にふさわしいです。

3 偉大な経営者や偉人が考える幹部の前提条件

偉大な経営者や偉人は何を考えどういう人を幹部にしてきたのか、故稲盛名誉会長のリーダーの役割10カ条を紹介します。

つぎに、仏教の開祖であるブッダのリーダーに必要な5つの要素を紹介します。

事業部長や本部長になる幹部を登用する場合は、ブッダのリーダーに必要な5つの要素を参考にしてもいいかもしれません。

最後に、「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」などマネジメントスキルのほとんどを生み出したマネジメントの父である経営学者ドラッカーの「リーダーに任命してはいけない人物」を紹介します。

4 まとめ

① まずは、幹部の登用条件を設定する前に、幹部候補者になれる前提条件を設定してはどうですか?

② 幹部候補者になれる前提条件をクリアした人の中から、社長が幹部にしたい人を幹部にします。

③ 成果を出す力を重視し幹部に登用する社長が多いと思いますが、次の3つに留意しましょう。

・自部門だけでなく他部門の成果に貢献する意欲・力があるのか?
・今期の成果だけでなく、将来も成果を出し続ける可能性・力があるのか?
・成果を上げているから幹部にするのではなく、徳の高い人を幹部へする

④ 偉大な経営者や偉人の幹部/リーダーの条件も参考にしてください。



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