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ダンパーの合わせ方 (SSE3.0)



1.はじめに

1.1 まえがき

今回の記事と、前回書いた「フィーリングで組むセットアップ」と合わせてセットアップ全般の解説は終わりになります
もう少し記事を改善すればよかったなと思うところは有るんですが、それは公開してから少しづつやっていこうと思います

ダンパーは車の動きに対して働くもので、とても理解しにくいものです
それを理解しやすくまとめています
本記事で理解し、自在にセットアップが組めるようになれば自分も嬉しいです

ぜひ車の動きをイメージしながら覚えてください


1.2セットアップの前にお読みください


この記事のコピー、転載、販売など購入者、著者の利益を害する行為やめてください
ノウハウを公開すれば、僕だけではなくこの記事を購入してくれた人全てが損をします
悪質であれば法的処置を行います

本記事で書かれていることはあくまでレースシムにおけるセットアップの話であり、実車では検証を行っていないので自己責任でお願いします。


1.3 改訂

1.3 改訂の項目を追加

3.8.6 複合コーナーダンパー解説 ポールリカール T9-T10 を追加

24.8.1
       SSE3.0版に更新


2.ダンパーの合わせ方

レースシムのGT3では4Wayのダンパー(4項目)であることが多いため
ダンパーのセットアップが複雑で分かりにくくになりがちです


今回はそのダンパーをシンプルに考えられるようにしていきます

ダンパーを理解する上で必要なことは
・前後重量バランス
・スプリングとのマッチング
・ダンパーの各項目
・コーナーでの合わせ方

です

走行中常にサスペンションが伸び縮みして車を安定させています

そのスピードをコントロールし、車の姿勢を変えたりタイヤを路面に押し付けたり、時には浮き気味にしていらないグリップは削りコントロールします





2.1前後重量バランス

 車によって前後重量バランス、ジオメトリ、タイヤの使い方、スプリングの硬さそれぞれ違います

そのため4輪の荷重の掛かり方が違うため荷重移動を考慮しながら調整していきます


よくあるセットアップの解説では
「曲がりにくい車はフロントを柔らかく、リアを硬く」
と書いてあると思います

確かにリアを硬くすれば車は曲がるようになります

でもそれだけだとピッチング方向(前後)やヒーブ方向(垂直)のバランスが取れなくなってしまうのです

例えば
フロントが重たい車にリア寄りのセッティングを施したとしましょう

コーナーリング中はリアが踏ん張るため車が曲がるようにセット出来ます


ですがブレーキング、アクセル時はどうでしょう

ブレーキング時は重たいフロントに対して柔らかいフロントのため急激にフロントが沈みフロントが縮みきってしまいます

こうなるとほとんどフロントタイヤで荷重を受け止めてしまうためリアタイヤを有効に使えません

そのため強いブレーキがかけられない車になります


ブレーキを掛けているこの時にステアリングを切ったらどうなるでしょうか 
フロントに荷重が乗りすぎているためフロントグリップが限界を超えアンダーステアを起こします

バンプストップを当てるとある程度は改善しますが、車が跳ねやすくなりますし、バンプストップに当たってる時はメカニカルグリップを引き出しきれません


リアもそうです
ただでさえ軽いリアを硬いスプリングで支えているため加速時に荷重が乗らずトラクションがかかりません

ハンドルを切った時もリアが動かないため荷重が乗らないアウト側のタイヤ1輪だけを滑らせるように使うため物凄く不安定になります

結果 加減速時に不安定でタイヤに負荷のかかる車が出来上がるのです

根本的にセットアップを変えていく必要があります

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