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【社内勉強会の内容を大公開】 プロダクト開発に活きるUXリサーチ

はじめに

Shippio Design Mgrのにしとうです。5月28日開催のRESEARCH Conference(https://researchconf.jp/)にて「Shippio全社員UXリサーチャー化計画」というタイトルでShippioの取り組みについて紹介させていただくことになりました。
上記カンファレンスでは紹介しきれないコンテンツを、note形式でちょっとずつ整理していこうかなと思います。

こんな人に読んで欲しい

・UXリサーチに興味がある
・UXリサーチの前提・基礎を言語化したい/伝えたい
・色んな人を巻き込んで、UXリサーチ・仮説検証を実施していきたい

ShippioでのUXリサーチ勉強会の背景と目的

もともと私自身、toB事業における顧客理解や仮説検証は、デザイナーのみでは実施しづらいという課題を感じていました。
そこで、PdMやデザイナーが、顧客インプットをどのようにプロダクト開発に活かしているかをチームに共有する目的で「UXリサーチ勉強会」を開催しました。

この勉強会には、Productチーム、セールス、CS、人事まで幅広く参加してくれました。わいわい。3回に分けて、下記トピックでお話しました。

  1. プロダクト開発に活きるUXリサーチ - 基礎編 -

  2. 課題発見と優先度・プロトタイピング

  3. ビジネス成果とUXリサーチ

今回のnoteでは、①プロダクト開発に活きるUXリサーチ -基礎編 - について内容を簡単に共有します。

なお、スライドは一部下記にて公開されていますのでご興味ある方はご確認下さい。


プロダクト開発に活きるUXリサーチ - 基礎編 -

主なメッセージとしては下記です。それぞれ簡単に説明していきます。

UXリサーチが活きる前提条件を理解する

調査に向けて仮説等を準備することが重要なのはもちろんですが、そもそも「UXリサーチで検証できることは何か?」を理解することも非常に重要。
「どんな問いを立てるべきなのか」を理解するために、3つのポイントを整理しました。

① 明らかにできることを理解する

UXリサーチの強みは「証明すること」ではなく「仮説をアップデートすること」・「輪郭を明らかにすること」。

極端に言うと、「ニーズがあること確かめにUXリサーチしてみよう」と意気込んだが、「ニーズがある人もない人もいる」となってしまうのが「ありがち」な例。

あるべきUXリサーチとは、「誰が、なぜ利用するのか。利用しない人との差分はなんなのか、それらはどのように埋めていくのか」を理解すること。そうすることで次の開発の優先度付けにつながったり、マーケ・セールスのターゲット像の精緻化ができます。

② 将来うまく行かなかったときの「拠り所」にする

どれだけ事前にUXリサーチを行っても、実際にリリースすると想定通りに行かないケースがほとんど。そのときに「どこまで信じられるか」「どこまで立ち戻るか」のコンセンサスは、案外定性的なものだったりします。

イメージしやすい例で言うと、「TOPページにチャットを設置したけど、使われなかったとき」に、どこをピン留めするかは案外感覚的なものだったりします。

  • そもそも誰もチャットなど求めていないのではないか

  • 求められているけど、導線が悪いのではないか

  • 求められてもいるし、導線も良いはずだが、気づいてもらえていないだけなのではないか

「どうなったら、どこまで信じられるのか」という観点で調査設計を行うことも大事になってきますね。

③ 成果に紐づく問いを立てる

プロダクト開発に必要なのは「欲しい」と言われたというファクトでもその量でもなく、「実際に求めている行動変容を起こせるか否か」。

良いと思うけど買わないものがたくさんあるように、「ニーズがあるか」などの成果に紐付いていない問いを立てるのはちょっと危険です。「実際に買うために何が足りていないのか、どういう状況であれば買うのか」と理解することがUXリサーチを行う上では重要です。

インプットあつめ〜まとめの考え方

ここからは、実査〜とりまとめに関して意識できると良いことを紹介します。

実査においては、とにかく1人を理解する

このあたりはたくさん本とかあるのであえて言うことでもないかもしれないですが、改めて上記で述べてきた「成果に紐づく」という観点で、一人ひとりを徹底的に理解することが重要です。その際のTipsなども紹介しました。

ファクトに基づく、バイアスをかけない、「なぜ」を聞けばよいわけではないなど、いくつかの実査Tipsをあげました。

共感をもって一般化する

このあたりは語りだすと長くなるのですが、ざっくりいうとUXリサーチで得られた「評価」は「行けたら行くね」レベルの信用度であり、重要なのは「顧客の心情が透けるまで、ユーザの状況を理解する」こと、という話をしました。
※ もちろん調査の種類にもよりますが...

「顧客の心情が透けるまで、ユーザの状況を理解する」という観点では、下記のような例を出しました。

<状況の例>
大学生: 卒業のかかった必須科目の筆記試験、試験5分前に筆記用具を忘れていることに気づいた。声をかけられるような友人はこのクラスにはいない。

そうなると、「どうしたの?大丈夫?」と声をかけてくれて、筆記用具を貸してくれる人の偉大さがわかります。

ただ、下記のように表現したらどうなるか?

「ターゲットユーザはペンを求めている」

どんなペンを?何色?シャーペンじゃだめなの?何人が言っていたの?何が大事なの?がわかりづらくなりがち。
「この状況にいるのであれば、これは必要だよね」ということが透けるくらいまで顧客を理解できると、それはN=1の話ではなくなってくるという話。マニアックな話ではあるのですが、そのレベル感までみんなが共通認識できていると強いなぁと思っています。

後日談

参加してくれたセールスメンバーから「UX関連の本かっちゃった!」と言われたり、顧客からFBをもらう際に相談を貰えるようになったり、みんながUXに興味もってくれたり重要さを理解してくれたことがとても嬉しかったです。

ただ、「Shippio全社員UXリサーチャー化計画」はまだまだ始まったばかり!
なんとなく...社員みんなが「UXリサーチするぞ!」と意気込んでいる状態よりは、顧客目線であること、仮説検証をやってくこと、それらをプロダクトの成果につなげていくことが意識されずに溶け込んで文化となっている状態が理想だよなって思っています。

誰もが、誰かを想いながら仕事ができる。それが業界や、業界に関わる人の幸せにつながっている。そんな世界を実現したいなって思います。

プロダクトデザインに関することを話したり聞いたりするのは大好きなので、ご興味ある方はぜひお声がけ下さい。
meety: https://meety.net/matches/hIrrMVsCNVTj
Twitter: https://twitter.com/K_Nishito


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