キメラ人間

ついに成功した
人間という名のキメラの開発に

様々な考えや知識に出会い
取捨選択を繰り返し
自身の一部として混沌を纏い出す

あまたの顔が見え隠れし
あたかも自身であるかのように
得意げに語りかけてくるのである

まるで誕生してから
"自我などなかったのだ"
そう言うかのように
自分自身すら見失っている

自身のもっている考えや知識
その全てが他人のように思えて
どうも自信がもてないのである

自身から放たれる言葉ですら
誰かの受け売りであることに
恐怖を感じるのである

果たして独自性というものは
どうすれば証明できるのだろうか

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