生の現場以外は信じるな -Xデザイン学校 ベーシック リフレクション #2-
前回から引き続きプラットフォームビジネス・サービスデザインの理解を深めつつ、質的調査の理解に踏み込む回。
サービスデザインの理解
従来と新規を完全に分けてしまって本質を見失っていた。
「今:サービスデザインの考え方を使って、ビジョン作って、エスノグラフィして、プラットフォーム作る」で、
「昔:デザイン思考を使って、ビジョンは必要なくて、行動観察して、サービス作る」みたいに。
大事なのは、
・コロナ禍を経て、デジタルプラットフォームの威力が増したこと、
・ユーザーの多様さによってステークホルダー全体を見渡す必要がある→ゆえに社会に対してどう在るかを示す必要があること、
であって、
・プラットフォームビジネスだけが正解ではないし、
・サービスを作る上でもビジョンを持つことは今後を見据える上では大切だし、
・アウトプットがサービスになろうがプラットフォームビジネスになろうが、大抵の問題が解決されたこの世の中で新規ビジネスを生み出すならエスノグラフィが必要だ
というように現時点では理解している。「Xデザイン学校」に落とし込んだ例が分かりやすかった。いくらプラットフォームビジネスが強いとは言え、目的に合わなかったり、勝ち筋が無かったりする場合はある。その場合は選ぶべきではない。
生の現場以外、信じるな
今日の学びを自分の言葉で言い換えるなら「生の現場以外、信じるな」。
社内でユーザーインタビューのワークをした時に思ったが、普段あまりにも日常的にエスノグラフィして生きてないし、人の話を聞かなすぎるので、ちょっとインタビューしただけで新しいことが知れてしまう。そこで得た情報が、世の中的にはもう既知のものとして溢れてる、もしくは、現実とは乖離した嘘の言葉だってことに気づかない。気づかないから、それが成功体験になって、テンションが上がって、そのまま新規サービスが作れる気になってしまう。
3月に見たXデザインの発表会で、生の現場以外で決めたことを出してぶっ叩かれてる人を散々見た。
でもやっちゃう気がする。
なぜなら間違ったやり方であっても、ちょっとインタビューしただけで新しいことが知れてしまうから。「これは発見だ!」って思っちゃうから。嬉しくなってる時に後ろを振り返るのって多分相当難しい。
だから多分、これを防ぐには講師やメンターの人に経過報告して粉砕されるか、現場に持っていってユーザーに粉砕されるか(多分これも架空じゃなくて出来るだけ生の現場で使われる必要があるからむずい)しかない気がする。
プラットフォームビジネスについて
「プラットフォームビジネスとして成立してるもの」と、
「プラットフォームビジネスっぽいけど異なるもの or 成り立ちづらいもの」
の違いが曖昧。
・デベロッパーが自ら生産活動できるようになっているか
・社会的意味があるか(これがないと破壊的になる)
・1番になれているか(他のプラットフォームビジネスに負けると大損する)
・大きなビジネスになっているか(大きくないと、収集できるデータが小さくなってインパクトが減る)
あたりが大事なのは分かる。
「デベロッパーが自ら生産できているか」が結構曖昧。
例えば今回挙がったLUUPの例、「電動キックボードを使える場所を置いてるだけだとただのサービス導入者だ」は理解できる。
ただ、今後、デベロッパーがLUUPのポートを運用して停めた人のデータをチェックしたり、自由にレンタル価格を決めたり、ポートの使い勝手をカスタマイズしたり(スマホ充電できるようにするとか、軽い休憩スペースにするとか)、デベロッパーがLUUPのポートを運用できるようになるとそれは「移動手段と場所の運用」を民主化したプラットフォームビジネスになるんじゃないか、と思ってしまう。
事故が問題視されてる点、景観が壊される点、はごもっともだと思う。
あと、「収集できるデータが小さくなるとインパクトが減る」もそれ単体なら分かる。
だが、そもそも「DXにおける収益モデルはデータ収集を軸にする」というのがまだピンときてない。データ収集することでそれを新規開発に活かせるのだろうけど、それは収益をあげるモデルとして成立してるのか?
概念理解へのこだわりすぎも良くないかもしれないが、この辺は理解しておかないとビジネスモデル作りに確実に響くので理解したい。
エスノグラフィについて
改めて考えると、保険サービスのエスノグラフィってなんだ??何をしたら良いんだ?そもそもインタビュー対象者はどうやって選んだら良いんだ?
対象者を絞った時点で何らかの意図が入るから、その時点からずれ始めないか?
この問題、今回に限らず起きるはず。エスノグラフィする場合ってどうやって選んでるんだろうか。
あと、エスノグラフィの場合どんな場面を観察していけば良いんだろうか。行動観察の場合は、既存の問題解決だろうから既存のサービスを使用しているシーンの観察がメインになることは想像できる。
保険の意思決定に関わる場面ってどんな場面だ??
プラットフォームのビジネスモデルに気を取られてこの辺りが全然分かってない。次回確認。
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