UQ(アーカムクエスト)の制作秘話と物語の行く先①

私はUQ(アーカムクエスト)というオリジナル長編SF小説を2023年1月8日にカクヨム様にて公開しました。

最初に思いついたあらすじは以下のような内容になっています。

◇◆◇

足が不自由な娘のために、博士が長い年月をかけて開発し続けていた世界初の新技術がついに完成した。
 それはUnmanned(無人) Humanoid(人型) Remote Control(遠隔) Machine(機械)、略してUHRCoM (アーカム)。
そのアーカム技術により娘――旭川ヒナは擬似的に歩けるようになった。
アーカム専用のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、UDP(アーカムディスプレイ)を装着し、
アーカムに接続すれば寝ながら世界中どこからでもアーカムにアクセスし操作できるようになる。
 自分はその場にいなくてもアーカムを使えばいつでも旅行が楽しめ、日々、仕事がある人でも長期滞在を可能にした。
アーカムは自分とそっくりになるロボットであり、第2の自分、セカンド・アイデンティティともいえる。
いわば人の意思で動かすフルダイブ型ブレインマシンアンドロイドというべきか・・・!
 人はそれをアーカロイドと呼んだ――。
博士はもう一つのアーカロイドをデータ収集のため弟子の三輪大輔に送る。
アーカロイドを操作する旭川博士の娘のヒナと、機械操作が苦手な三輪の代わりに操作するもう一人の少女、加野詩絵の2人が待ち受ける運命とこの技術の行く末を体験しませんか?

◇◆◇

Unmanned Humanoid Remote Control Machine、略してUHRCoM (アーカム)というものを本書ではアーカム技術として扱っていますが、
当初、アーカムの名前の付け方(語源)は無理矢理つけたような感じです。

別名をつけるとしたら「フルダイブ型ブレインマシンアンドロイド」になります。

この設定を思いついたのは偶然です。
まさしく、「アイデアが降ってきた」と表現できる感覚でした。
それも2023年の新年を迎え、初詣に行った1/1の夜にふと思いついたので余計にそう感じています。

このアイデアは様々な組み合わせてでできていますが、その「きっかけ」はおおよそ分かっています。

①ドローン
②フライトシミュレーター
③フルダイブVR

の3つです。

まず①のドローンですが、
ドローンの操縦が免許制になる前に一度、上司の方から借りて操縦をさせていただいたことがあります。
自分のスマホをドローンと接続して操縦できるタイプのものでしたが、操縦していると初飛行でゆっくり移動なのと高画質であったことも相まって、
まるで自分が歩いているような感覚でした。
ですが、その時は何も思いませんでした。

次に②フライトシュミレーターです。
私は幼少期のころからパソコンを触る機会があり、小学生の時にはPCゲームを始めていました。
FPSなどのオンラインゲームもやりつつも、フライトシミュレーター系の飛行ゲームまで手広く興味がありました。
フライトシミュレーターは私が就職して一人暮らしをするまで実家で何度もプレイしていましたが、その時は「自分で飛行機を操縦して離陸から着陸までを楽しむ」という感覚でプレイしていました 。

就職して実家を離れて再び帰省した際に久しぶりにやってみると、その時にはドローンを操縦した経験が色濃く残っていたのか、「自分で飛行機を操縦して離陸から着陸までを楽しむ」というより、「自分が家にいるのに、画面上の飛行機は東京(羽田空港)から大阪(関西国際空港)まで飛んでいる」という客観視した感覚でプレイしていたのを覚えています。
ゲーム中トイレに行きたければ操縦をオートパイロットにして自動操縦にさえすれば、席を離れてトイレに行っていてもゲーム上の飛行機は設定された航路を飛び続けられます。

そう思った瞬間何かが引っかかりました。
自分が遠くから操作してアンドロイドの視界をドローンで見ていたようにカメラで周りの風景を見たらどうなるんだろう…と。
このように考えたら、思考は止まりませんでした。

そして最後に③フルダイブVRです。
この技術はまだ現実にはないので某アニメ(原作小説)の影響を受けていますが、思いついたアイデアは

「フルダイブVRによって接続される先が仮想現実ではなく、アンドロイドだったらどうなるのか」です。

実際に接続するには様々な問題はあると思います。
これを思いついたときにはかなり有頂天でしたが、はっ、と思ったことがあります。
世の中はAIやメタバースなど無人や自動化の方向に動いているのに、私の考えた技術は技術的にはこの世にまだない技術だけど、操作のために「人を必要としてる」ということです。

先に進んでいるようで逆に戻ってしまっているのではないか、と思いました。

ですが、この技術が必要になる場面があるのではないか、とも考えました。
その場面と言うのは

「宇宙領域」、もしくは「人が行けそうにない未知の領域」などです。

最近の技術は高性能化されているから意外と無人でも大丈夫! という声がもしかしたら挙がるかもしれませんが、
無人には限界はあるのではないか……と私は考えます。

仮にこの技術にそういった領域で有効だとしても、「何万光年離れた場所で接続し続けられるのか」、という問題も発生しますが、
その点は問題ないと思っています。
その理由は通信技術は日々、進化しているからです。4Gから5Gまで来ました。今後6Gや7G、8Gがでることを考えれば、
この技術を使うための「超遠距離通信」がいつかは可能になるかもしれません。
もしかしたら専用の通信手段ができるかもしれません。(中継機などを含む)

この技術――フルダイブ技術でブレインマシンに接続する技術を本書では「アーカム技術」と呼んでいますが、
上記のように様々な可能性を感じたため、一つの大きなテーマとして小説の題材にしました。

ただ、ネット小説なのでこのまま使ってしまうとかなりのハードSFとなってしまうため、SF要素4割、人間ドラマ6割の配分にしました。

タイトルはアーカム技術の可能性を探る、という意味を込めて、UQ(アーカム・クエスト)にしました。

(続く)

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