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シチリア旅行記⑤
昔(2009年秋)シチリアへ一人旅に出かけた時の日記が出てきたので、数回に分けて残しておきたいと思います。
(④の続き)
こうして、「ニューシネマパラダイスの舞台となったシチリア島 パレッツォ・アドリアーノ村を訪ねる旅」は幕を下ろしました。
(↓ココからは映画のネタバレが含まれます)
私が映画「ニューシネマパラダイス」を愛する理由は、映画の中に『一途な想い』が散りばめられているから。
トトが映画を愛する想い、アルフレードがトトを愛する想い、トトがエレナを 愛する想い、トトのママがトトを愛する想い・・・
そして、何十年経っても変わらない村に、変わらないもの、すなわち『永遠』が描かれている。
トトの頬杖をつくクセ、広場の主、女王と兵士の寓話・・・ 「己のする事を愛せ、子供の頃映写室を愛したように」そして形見のフィルム。
村に何十年と戻らなかったトトは立派な映画監督になった。それはアルフレードが 成し得なかった夢をトトに託したわけだし、そしてトトもそれを成功としたはずだった。
しかし、どれだけ地位や名声を手に入れても、トトの母親は「お前を心から 愛する人の声を聞いた事はない」と言った。
永遠の片思いは、永遠に美しい。アルフレードは、あの時、そう導いた。
アルフレードの死後。
形見に残したあのフィルムは、子供の頃の夢を叶え、地位も名声も手にしたトトに送る、アルフレードからのご褒美であり、また次なる新たな導きだ。
「愛し愛される事」への導きなのだろうと思った。
アルフレードは、トトに、愛を諦めさせたわけではなかった。だって、アルフレードは、誰よりもトトが好きだったし、トトもまた、アルフレードが大好きだったのだから。一途な愛は永遠なのだ。
サエコ
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p.s.
そして私も、映画の舞台となったこの村で、大勢の人から愛をもらいました。
私の好きな映画第一位も永遠に、 この『ニューシネマパラダイス』です。
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(この感想は、2009年に書いたものです)