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ネガティブ・ケイパビリティの十分な発揮

今週、急ぎでイベント会場を押さえてほしい事例が発生し、スタッフに連絡。すると、下記のような返信が戻ってきた。

「本日、イベント対応にて12時~出勤で、その後3日続けてお休みをもらっています。今週中に電話対応するのが難しいのですが、どうしたらいいでしょうか。」

私はその日打合せが立て続けに4つくらい入っていたので、とりあえずそっとSlackを閉じた。

正直なところ、電話一本5分の手間に対応できないはずがないという確信があったが、その日は自分もある程度予定が詰まっており、そこに気持ちを囚われる余裕もなかった。とりあえず無になる能力を発揮し、次の打合せと打ち合わせの間に会場に電話し、自分で確認をとろうと思っていた。

その後、電話を掛けてみると会場の担当の人も忙しく、「すみません、再度掛けてください!」とのことで、私はそのまま最後の打合せに突入した。

17時すぎに打合せが終了したころにはすっかりいろんなことを忘れており、何気なくSlackを見るとスタッフから再度連絡が入っていた。

「電話を掛ける時間が出来まして、会場の確認とれました。」

たぶん、腹を立ててシカトしていたと恐れられたのだと思う。(たまに私は、何も思っていない時に威圧感を出していると思われる…。)

もしくはさすがに電話くらいは自分がしなくてはと思ったのか、何か心境の変化があったのだと慌てて気が付き、御礼の連絡を入れた。

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自分ではグレーをそのままにすることが、弱点だと思っている。人に厳しく詰め寄れないことも欠点だと感じ、直さなくてはと思っている。けれども、結果としてこの自分の消極性が、人の行動を促すケースもあったりする。

今回も、「5分くらい時間をとれるでしょ!!」と詰め寄ることも出来たし、「すぐにかけろ!今すぐにかけろ」とはっぱをかけることも可能だった。でも、結果的にシカトしていたことで、何故かはわからないがスタッフのゆったりした自発性に働きかける結果となった。

たまたま、今週はよく「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を目にした。一回目は「LISTENー知性豊かで創造力がある人になれる」という本において

またもう一度は面白法人カヤックのやなさわさんの、「励ましのサイエンス」山口周さんの記事において。

ネガティブ・ケイパビリティとは、「事実や理由を拙速に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑のなかにいられる能力」のことらしい。

もしかしたら本来の意味と異なってしまうのかもしれないが、今回のように「敢えてグレーであること」や「不完全なこと」が、チームワークやコミュニケーションに働きかけることがあったりするのは、確かにうなずける点だと思う。

例えば、私が1から100までイベントを管理しているときよりも、体力不足で使えなくなり、あちらこちらで忘れ物をしてきたり、フラフラしながら歩いているときのほうが、周りのスタッフが「あれ忘れてますよね!やっておきましたから!!」「たぶんこれが必要になるんじゃないかと思って、連絡しておきましたから!!!」みたいに介護してくれ、結果的に1人でやれること以上の結果を出せたということは、これまでも何度もあった。

もちろんいろいろな責任は果たしつつも、微妙に出来ていないことを都度咎めず一旦目をつむり、委ねた結果育ってきたものもある。たぶんそういうものたちは、曖昧さとキチンと保たなくてはいけない質の判断のバランスが、うまくいっていたのだと気づいた。

というわけで、自分としては自分の弱点だと思っていた「曖昧さを許す」行為についても、自分らしく曖昧に認められる機会になった。

※しかし、後ほどスタッフに話を聞いたところ、本当に素直に「時間が出来ましたぁ~~」と言っていた。単に、マイペースな良さを発揮し、危機感を感じていなかっただけだった。笑


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