日雇い仕事で明るみに出る自分の耐えられない適当さ
週末に、屋外のイベントに人手が足りないということで、スタッフとして参加した。
当日急遽入ったので、屋外テントで1人粛々とただレジをして過ごしていたが、
テントの簾が全く風を通さず、蒸し風呂状態に。
あたまが朦朧とし、息をしていても吸ってるのか吐いてるのかわからない。
そんななか、遠くの方から、ズンズンこっちに進んでくる人影が見えた。
蜃気楼の中その人影はどんどん大きくなり、
ああリュックしょったおじさんだなとわかるようになり、
あっなんかちょっとすごい笑顔だなっ、と思った瞬間に、
その人が急激に
「そうだよね?!やっぱそうだよね!!?」
と大きめの声で叫んだ。
心の中で(なにがっ?!)と思うよりも早く、
なぜか私はおのずから
「そうなんです!そうなんですよ〜!」
とまるで疲れを知らぬ子供のように
言い放った。
おじさんは軽やかに、
「やっぱそうだよね〜。やっぱね〜。ありがとね〜。」
と笑顔のまま立ち去った。
わたしは呆然としていた。
10何年の接客業でしみついた条件反射(適当さ)よ。お前はどこから来てどこへ行くのか。
心の中に手嶌葵の歌う「テルーの歌」がながれた。
その後もレジをしながらなんどか、おじさんの安心した笑顔を思い出し、
「ああ、もし、おじさんの言う「そう」じゃなかったらどうしよう」という不安が頭によぎったが、
おじさんはそのあと2度と現れなかった。
それが何かわからないが、きっと「そう」だったんだと思う。そうでよかった。