氷のないアイスコーヒー
氷のないアイスコーヒー。
今日、アイスコーヒーを氷無しで注文した。幾度となくカフェに行く私だが、初めての試みである。
私がこの試みを試した理由は、単に好奇心もあったが、コーヒー本来が出す良い味と言われるものを味わってみたかったからである。
しかし、その期待は見事に裏切られた。美味しくなかったのだ。
さも、カツオのたたきの刺身を何もつけずに食べたかのように、コーヒーが生臭かったのである。
単に嗜好の問題に帰することもできるが、ここから人間論へと転換する。
現代日本人はなにかと、素材の味を出したい欲望があるように感じる。俗に、ありのままの自分である。しかし、それは必然的に自らの弱点をも露呈することになる。これまで人間の弱点は暗く鬱憤とした容れ物に入れられていたのに、それを露呈するのである。
それはいわば、腐らずとも生臭いのである。
しかし、唯一食べ物と違うのは、それは必ずしも悪ではないことである。それは時と場合によるであろう。
信頼するものには、自らの生臭さを理解できるものと信じて見せて良い。
信頼しないものには、敬遠を避けるために、見せるべきではない。
もちろんなんでも曝け出すことは、距離感を考えない無謀な試みであるから、良くはない。だから、ただ適切な距離を保ちつつ、これからも僕の生臭さを感じていってほしい。
#人間論
#哲学