コロナ騒ぎの中受診した内科医との会話
昨日片頭痛と咳喘息の薬をもらいにいつもの内科を受診した。首都圏で急激に感染者が出始めてから私にとって初めての外来である。
1か月前もすでに野戦病院のような状況だったが、きっと今日もごったがえしてるんだろうな~と覚悟して行ったら、自動ドアをくぐってシーーーーン。
予約制とはいえ患者がひとっこ1人いない!!
この病院はクリニックでも総合病院でもない中規模病院だ。診察室は2~3個稼働している内科である。
(思ってたんと違うなぁ…ほんとに世の中にコロナ騒ぎってあるのかな?)
と思うほど静けき院内。
いつも通り血圧と体重を計り、名前が呼ばれた。
診察室に入ると、医師の不繊布マスクのみという軽装ぶりで驚く。月に1回会っている親しい先生だし、年も近いので、
「意外と軽装ですね」
と言ったら、
「いや~病院を模様替えして、感染症疑いのある人の隔離室を裏側に作ったんだよ」
・・・なるほど。そこに行くとき医師はゴーグルにカップのマスク、ビニールエプロンに感染専用の聴診器とあのよくテレビで観る重装備だそうだ。
「・・・てことはこの地域に感染者がいるってことですか?」
「いると思ったほうがいい。というかいないほうが変。昨日分布図が出たけど、都内で1番多いのは世田谷区。○○線と○○線の沿線に多いことも分かったから、ここに感染者がいないほうがおかしいね。うちの病院にも、限りなく黒に近いグレーの人と、白に近いグレーの人と両方来るようになった。黒に近い人は、新宿のキャバクラで遊びまくった後熱が出た人とかね。電話相談や保健所でも診てもらえなくて、たらい回しにされてうちに来たんだよ。PCR検査が受けられるのは現状の医療体制では真っ黒黒の人だけなんだよ。海外渡航者とか、すでに感染が分かった人と接触したとかね」
「やっぱり報道じゃわからないことがありますね」
「グレーの人を受け入れるか、拒否するかってうちの病院も考えたんだけどね。でもグレーを拒否したら医療が崩壊するからね、受け入れることにしたよ。けど、本当に感染症の最前線で働いている人に比べたら、自分なんかまだまだマシだよ」
「先生、殉職しないでくださいね…。先生が元気じゃなくなると私たちは1番困りますから」
「殉職ね、まあこの職業を選んだ限りしょうがないですよ。ははは!」
「いやいや、先生、若いんだからさ~!」
「指揮を取る上が1番どうかと思うね。そこが1番黒いかもね」
(事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!)
そんな声がこだましつつ、処方箋をもらって薬局に向かう私であった。
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