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そういえば座禅断食にいってた

私の家には赤い座布がある。氏名を記入する白い布が縫い付けてある。
「これ何?」と、自宅にきた友人にきかれ、座禅の時に座る座布団みたいなもの、と説明した。
10年くらい前、野口法蔵先生の座禅断食に参加していたときに購入したものだ。2泊3日の修行のような断食合宿で、多くの人が同じ座布を持っているので記名が必要なのだ。これですわると長時間、座禅を組んでも足が痛くならない。

この断食中は基本、塩と水のみで丸2日間過ごす。途中1回だけ重ね煮の野菜ジュースがふるまわれる。身体の細胞のすみずみまでしみわたるおいしさだ。                                断食中はほとんどが座禅の時間で、合間に講話や休憩がある。何も食べなくても、案外大丈夫なんだと驚く。ひとりで断食するのはつらいが、皆で座禅をしていると耐えやすい。参加者同士でおしゃべりできるのもいい。
3日めの昼に回復食がでる。大根と梅干しの汁を何倍も飲んで、宿便が出たら、野菜や天然酵母のパン、バナナを食べることができる。その後1週間は厳しい食事制限がある。

座禅断食にいったというと、必ず「どうだった?」ときかれるが、体重は2~3Kgしか減らないし、特に変わったことはないので返答に困る。    ただ、主宰の野口先生夫妻はすごく素敵な方だし、みなとお話しするのも楽しいし、こういうストイックなことが好きなのだ。

でもいちばんの秘密の楽しみは、座禅断食が終わった後、参加者の方と裏山の隠れ家のような蕎麦屋へ蕎麦を食べに行くことだったりする。松本での断食後に食べた蕎麦は、本場・長野だからか、断食の直後だからなのか、この世のものとは思えないほどおいしかった。やっぱり私は根っからの食いしんぼうだ。

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