Twelve Minutes【ゲーム感想文】
あらすじ
主人公が帰宅し妻と過ごしていると、警察を名乗る男が家に押し入ってくる。男は妻が殺人犯だと言い、主人公をボコる。気づくと主人公は帰宅した瞬間に戻っていた。12分のタイムループに閉じ込められた主人公はこの結末を回避するため奮闘する。
感想
操作はマウスオンリーで簡単め。タイムループがリアルタイムで進むのでちょっと焦るけど、アイテム画面出してる時や会話選択の時は時間が止まるので大丈夫。12分のループとか言ってるけどだいたい5分後に男が押し入ってくるから1回のループが短くサクサク進む。序盤は部屋の探索にアイテム探し、妻との会話とやる事が多い。常に「次のループではあれを試そう!」となり詰むことはそうそう無い。
内容としては、少しずつ謎が解けていく感じが楽しい。先が気になってどんどんやっちゃう。後半は絶対やらないといけない行動を飛ばせなかったりしてちょっと冗長。もう少し飛ばせると楽なんだけどな。1LDK?の割にこんなにやれる事が多いのはすごいと思う。何やっても大体少しは情報得られるし。でもエンド回収や称号回収はなかなか難しい。セーブがないのもちょっと…。
以下ネタバレあり
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妻にかけられた父親殺害の容疑の真相は、実は主人公が妻の父親を殺したというものだった。父親は不倫をしており、その不義の子が主人公。主人公は自分の腹違いの姉だと知らずに妻と出会い恋に落ちるが当然父親に反対される。その際父親に暴行を受け抵抗したことで父親を殺してしまう。その後妻と結婚。しかも妻は主人公との子供を授かっているという地獄のような状況。
ただ、時間がループすること、主人公が何もかも忘れていること、父親と押し入り男の見た目が同じであること、トゥルーエンドの際の父親と主人公の会話、あとは廊下や部屋の絵画のことを踏まえるとこのループは現実のものではないと考えるのが自然っぽい。父親が主人公に掛けた暗示か洗脳かが変に働いて、腹違いの姉に恋をした罪悪感や姉への執着から精神世界に閉じ込められた、とか?
この物語で一番悪いのは父親だと思うんだよね。自分は不倫しておきながら主人公のことめちゃくちゃに責めるし、不倫相手や主人公のことは愛さず、本妻とその子供だけ守ろうとして。というか守ろうとしてるのはただ自分の立場なんじゃないか?ほんとあの男が全ての元凶。主人公は被害者…。おめーが不倫しなければこんな事にはなってない。子供の遺伝子とかの問題を置いておけば、姉弟間の愛情も別にいいんじゃね?と思うが…。まあこの話では父親だけじゃなく妻もそれは許せなかったのかな。主人公が父親を殺したって伝えた後の妻の反応も"人間"ってかんじ。自分が殺したと思ってる時は言い訳しまくるのに、主人公が殺したと知った後はすごい責めるじゃん。汚らわしい!とか。まあ全部主人公の精神世界の話かもなんだけど。あと自分や妻も殺せるんだけど、その時の反応がめちゃくちゃリアルで感動した。初めて自分を殺そうとする時は自分にナイフを向けるだけでなかなか刺せず死にきれないんだけど、2回目からは少し悩んだ末自害できる。妻を殺すときも1回目は「それをしてしまったら私はずっと殺人犯だ」とか言って何もしないんだけど、2回目からは「本当にすまない!」って言いながら殺す。なんか葛藤とかがリアルでいいよね。
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ネタバレここまで
まとめると、なかなか面白かった。2,700円でこのボリュームは少し物足りないけど、ストーリー構成が良かったのでやる価値はあると思う。映画だとシャイニングよりもバタフライエフェクトに近い感じがしたよ。
【参考】価格:2,700円、総プレイ時間:6時間