不快によって守られている私達
4月某日、世の中を良くする不快のデザイン展に行ってきました。”不快”の心理効果を使ったプロダクトを集めています。終了間近の平日に行ったら混雑していて話題性を感じました。楽しみながら学べたので、興味深いプロダクト事例と感想を記そうと思います。
事例①危険を知るデザイン
天然ガス(都市ガスの原料)は本来無臭だが、人間に危険を察知させるためにあえて臭いをつけている。
付臭剤は誰もが異変を感じるくらいインパクトがあります。そのためガス漏れの被害を未然に防ぐ/最小限に抑えることが期待できます。あれほど強烈な臭いですが、人間に与える毒性はなく嗅覚疲労も起こしにくい付臭剤を使っているとのことです。
誤飲防止のため、おもちゃに苦い成分を塗っている。
Nintendo Switchのゲームカードを舐めると苦味がするのをご存知ですか。子どもが誤飲するのを防止するために苦い成分が塗られています。苦い以外は人間の身体に害がなく安心とのことです。
事例②学習するデザイン
不快と快を組み合わせたトレーニングパンツが赤ちゃんのオムツ卒業を助けている。
赤ちゃんがつける初期のオムツは水分を吸収してもサラサラする素材なので、オムツをぬらした後でも着けていられる。でもトレーニングパンツはぬれた感じがして気持ち悪い。だからトイレに行く。すると褒められる→またトイレに行きたくなる、という好循環を生む。不快と快を組み合わせることで、「トイレに行くのって楽しいんだ!」を作り出しています。
さいごに
人間の特徴を活かして不快をつくり、その効果で世の中を良くするプロダクトを知ることができました。五感で考えるとガスが嗅覚、おもちゃが味覚、トレーニングパンツが触覚にアプローチする事例です。このnoteでは取り上げませんでしたが、他の展示では地震速報のチャイム音(聴覚)、踏切のバー(視覚)などが紹介されていました。
不快によって守られている、助けられているという視点を普段意識していなかったので、考えるキッカケになりました。GOOD DESIGN Marunouchiでは面白いコンセプトの展示会を開催しているようなので、今後を楽しみにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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