【知らない土地で暮らすことについて考えた話】リモートワークの孤独とたたかう日記5/25
リモートワーク期間中に日記を書いている。
緊急事態宣言の解除が発表された。
ここから全くもって今まで通りの日常、というわけにはいかないだろうが、やっと日常に近づいた気がする。
知らない土地で暮らすことについて考えた話
先週の金曜日の夜、Twitterを見ると「僻地配属となった新卒女性」のつぶやきがTwitterで話題になっていた。
※元ツイートは削除されてしまったので、気になる人は調べてほしい。
私自身は働く場所にこだわりがない人間なのもあり、正直この新卒女性の嘆きにはあまり共感できなかった。
彼女のツイートを遡ると、
・(納得していたかは不明だが)全国転勤がある職場であると認識していた
・「東京で働く同期」への羨望が感じられるツイートがあった
ことから、そのときは下記のようにツイートした。
だが、週末に散歩をしながら新卒女性のことを考えていたら、彼女の憂いについて少し共感を覚えたので、そのことを書きたいと思う。
私自身は東京が職場なのもあり、今住んでいる場所は「僻地」とは程遠い。
とはいえ、私の住む場所は知人が住んでいないエリアだ。
今、誰とも会えない期間の中で偶然にも知り合いに遭遇する可能性は皆無である。
もともとはじめてのひとり暮らしで、自分で住むのを選んだ土地ということもあり、私は今暮らしている町のことが大好きだ。
私の住む町に遊びに来てくれた友人には、ありとあらゆる自慢のスポットを紹介したくてたまらないほどである。
ただ先週末、散歩をしながら「私はこの地域に3年住んでいるのに、この地域に私のことを知っている人は誰ひとりとしていない」というすごく当たり前の事実に気付いてしまい、しまいにはなんで知り合いが全くいないこんな土地に住んでいるんだろう?などと思い始めた。
何不自由なく生活してきたこの町に対して、そんなことはこれまで考えたことがなかった。
急にそのように思い始めた理由を考えてみると、実はこれまではずっとある程度近くに遊んでくれる知り合いがいる環境にいたことに気付いた。
私が新卒でひとり暮らしを始めたところ、たまたま大学の友人たちも上京して研修を受けていた。
彼らの社宅や借入住宅がたまたま私の住むエリアと近かったのもあり、平日の夜や週末には彼らに遊んでもらっていたため、私は孤独に感じることはなかった。
夏になると、研修を終えた友人らは札幌配属のため帰っていったが、そのころには少し近くの町に住む会社の同期や先輩とも馴染んで遊んでもらうようになっていた。
しばらくすると先輩や同期は転職・異動で引っ越してしまったが、そのころにはまた既に遊んでくれる人がいたのであまり大きく気にしていなかった。
中には私の住む町に遊びに来てくれる友人もいるし、会いたい人には自ら会いに行けば良い話だ。
そんなことを思っていたら、この外出自粛である。
近くに頼れる人もいなければ、会いたい人にも会いにいけない状況になった。
自分がいたい場所は、人に起因している気がする。
私はこの土地自体というよりは、誰かと過ごした思い出がたくさんあるこの町が好きなのかもしれない。
あるいは誰かに会おうと思ったとき気軽に会いに行って戻ってこれるホームタウンのこの町が好きなのかもしれない。
そう思ったとき、誰とも過ごせなくなってしまった今の状況を考えると「この土地にいる意味ってあるんだっけ?」とさえ感じるようになった。
3年も暮らしているこの町なのに、身近に人がいないと気付いただけですっかり知らない町のような気持ちである。
そんなタイミングで自社の「フルリモートワーク制度」導入のリリースである。
この制度が導入されたら、土地に縛られることはなく一緒に過ごしたい人の近くで過ごすことができるようになる。
私はどこで誰と過ごすことを選ぶんだろう。
これからの生き方については、まだ不確定な部分も多いがいろいろな選択肢がありそうだと思っている。
ここで最初の新卒女性のつぶやきの話に戻る。
既に彼女のつぶやきは全て消えてしまっているので見返すことはできない。
だが、今記憶の中にあるいくつかのツイート内容を思いだして感じるのは「仕事はどこでもできるかもしれないが、生活は一緒に過ごす誰かがいてこそ意味を持つ」のではないかということだ。
新卒の彼女はひとりで新しい地に飛び込み、ひとりで過ごしている。
仕事は覚えることも大変でつらいかもしれないが、その愚痴を話す相手さえも見つけられない今の状況は苦しいかもしれない。
でも職場なりそれ以外の場所なりで一緒に過ごすことができる誰かを見つけられたら彼女は「僻地」で孤独とたたかわなければならない不安をTwitterにぶつけて炎上したりしなくて済むのではないか。
もちろん「僻地」勤務が耐えられないのならその場から逃げるのも手段だと思うが、それ以外の形でも解決のしようはあるのではないかと思うので、彼女がどこかで彼女なりの解決策を見つけられると良いなと思う。