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要約 『子どもの自己効力感を育む本』 著者 松村亜里
●はじめに
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「普段から褒めているのに、うちの子はなんで無気力なのか?」
「褒めて伸ばすは嘘?」
そう思ったことはありませんか?
「頭がいいね」「賢いね」
などは一見ほめているように聞こえます。でも、もしかすると、親からの言葉が、能力や才能を褒める言葉に偏っていると、子どもは「賢いから褒められている」、つまり「賢くないと褒められない」と思い込んでいるのかもしれません。すると、子どもは、賢くて褒められることだけを選び、失敗を恐れ、未知のことに挑戦できない人間になることがあります。
本書は、失敗を恐れず、「チャレンジしたい!」と思える子を育てるための「親の声かけ」を、30のよくあるシチュエーションに分けて具体的に紹介した実践書です。
●本文要約
1.「自己効力感」とは?
「自己効力感」とは、「やればできる」ではなく、「できるかは分からないけれど、とにかくやってみよう」と結果を恐れずに挑戦する力です。
行動は変化をうみます。変化を積み重ねていくと、現状自体が変わります。そうやって私たちは変化を起こし続けることで、できなかったことをできるようにしてきました。一方で、私たち人間には、変化を恐れる心と、変化を楽しむ心の両方が本能的に備わっています。自己効力感は、行動によって生じた変化を受け止め、恐れではなく、自分自身の成長に繋げ、未知に挑み続けていく心の働きとして注目されています。
そして、自己効力感が育つと、自分の行為や選択で現状を変えられる、という世界認識に繋がり、ありのままの自分を信じて受け入れる、つまり「自己肯定感」が育ちます。
2.「自己効力感」を育てる声掛け
子どもの自己効力感を高める声掛けのポイントは、能力や才能ではなく、努力や過程を重視した声掛けをすることです。
望む結果を出すためには、行動に根拠や仮説があった方がいいでしょう。しかし、行動そのものを引き出し続けるには、努力や行動自体を褒め、過程に注目して楽しめるようにすることが必要です。
まだ結果の見えない未知の状況において、行動を続けるエネルギーを出すには、適切な“声かけ”こそ、なにより重要な支援なのです。
3.「うまくできた時」の声掛けの方法
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