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意思決定が苦じゃなくなったのはなぜか|コネヒト退職エントリ

2021年から3年間勤めたコネヒトを、2024年9月末で退職することになりました。
(退職理由はいろんな文脈があるのでここでは記載しませんが、お会いした時などにはオープンにお話しします!)

コネヒトでは3年間一貫して、妊娠・子育てコミュニティアプリ「ママリ」のプロダクトマネージャーを担当しました。
コネヒトで初めてプロダクトマネージャーを経験させていただき、数えきれないほどの学びがありました。
この退職エントリではその全てには触れず、一つのテーマについて書いてみたいと思います。


コネヒトで初めてプロダクトマネージャーを経験し、悩んだことはたくさんあったけれど、
一番は「決めること」だったと思います。

今何をすべきか、どんな施策が当たるのか、リリースするまで誰も正解はわからない。
けれど、日々いろんな要望がくる。いろんなユーザーがいて、いろんな課題がある。
しかし、当然人もお金も有限。
そんな中で、プロダクトマネージャーは「今、何を選ぶのか」を意思決定しなければなりません。
施策の優先順位はもちろん、仕様についてチーム内で意見が割れた時なんかも、最終的に判断を下すのはプロダクトマネージャーであることが多いです。

でも、私は意思決定が苦手でした。

自分ではその理由を、自分のバックグラウンドである「満点こだわり症候群」にあると考えていました。(命名: 私)
小学校・中学校・高校・大学、すべての受験を経験し、点数・順位・偏差値を意識するのは当たり前の環境でした。
それでしか自分を評価できなかったし、点数のつかないこと、つまり正解のないことに対してどうやって向き合ったらいいかわかりませんでした。
そんな私だったので、誰も正解のわからない問いに対して決断を下すのが本当に苦手でした。

しかし、社内で最近エンジニアからPMに転身したメンバーにこう言われました。
「自分がエンジニアからPMになって思ったのは、決めることが難しいこと。おりちゃんはこんなことをやっていたんだなと思った」

これを言われてみて、気づいたことがあります。
プロダクトマネージャーを始めた時に比べ、(意思決定の質はわからないが)意思決定が苦痛ではなくなっていて、そのスピードも早くなっているということ。

それはなぜなのか、自分なりに言語化してみました。

1. 「顧客に詳しい」という武器を手に入れたから

ユーザーと誰よりも会って、ユーザーデータをたくさん見て、
「絶対これは多くのユーザーが抱える課題だ」
「この施策は刺さりそうだ」
といった自信が持てるようになりました。(思いっきり外すこともありますが)

やりたいことがある時にその定量/定性のソースをすぐに引っ張ってこられるようにもなったし、
常にロジカルに説明できるわけではないけれども、「勘所」みたいなものも一定つきました。

顧客に詳しくなるために試行錯誤した内容はこちら↓

2. チームで信頼し合える関係性を作れたから


顧客に誰よりも会いに行ったり、自ら小さく作って検証をガンガン回すようになったことで、チームメンバーが信頼してくれるようになりました。

嬉しかった一言

私も「これは違う、と思ったら率直に指摘してくれる。でも意見が食い違った時や、リリースして失敗してしまった時に、険悪にならずにコトと向き合ってくれる」と、開発者を信頼するようになりました。
(実は最初は自分が嫌われるのが怖かった)

3. 失敗も財産だと思えるようになったから

自分の意思決定で失敗もたくさんしてきました。
というか失敗の方が多かったです。
そんな時は申し訳ないという気持ちになります。それは過去も今も。

だけれど、「申し訳なさ」よりも「失敗から学べて財産だ」という気持ちの方が大きくなりました。
言い聞かせている、というのが正しいのかもしれませんが…

4. 慣れたから

こんなことを言うと元も子もないし、うまく言葉にできないけれど、
意思決定には「慣れ」みたいなものがあるのではないかなと思っています。

sansanのPMの方のnoteでもそういうことが書いてありました。

意思決定力は机上では習得できず、実践を通じて体得するしかありません。
悩みながらも、後ろ倒しせず、開発の優先順位を決める。
そして、プロダクトがリリースされた後に、顧客からの喜びの声を聞く。
時には良いとも悪いとも言われず無風となることも経験する。
決断とその結果に対する顧客からのフィードバックを通じて、プロダクトマネジャーの意思決定力は研ぎ澄まされていきます。

プロダクトマネジャーの仕事は”苦渋の決断”である

そういった背景があって、「決めること」が徐々に苦手ではなくなっていったように思います。

新しい環境での意思決定

そんな私がコネヒトを卒業して、新しい環境で意思決定していかなければなりません。
さらには、これまでずっとtoCでやってきた私ですが、次はtoBという未知の領域での新たなチャレンジとなります。

最初は顧客にもドメインにも詳しくないし、信頼関係もないし、また決めることが億劫になるのだと思います。
意思決定が苦手な理由を、自分のバックグラウンドである「満点こだわり症候群」にあると考えていた、と書きましたが、
これはプロダクトマネージャーなら誰しもぶつかる壁なんだろうとも思います。

でも、その壁の乗り越え方はコネヒトで学びました。
決めることは最初は怖いけれど、一つ一つの決断を積み重ねてプロダクトをもっと良くできるようなプロダクトマネージャーになりたいと思います。

コネヒトへの大きな感謝を胸に

偉そうに色々書きましたが、意思決定の質はまだまだだと思っています。
そんな私にたくさん任せてくれたコネヒトには本当に感謝しかありません!

実はコネヒト在籍中に「私PM向いてないと思うので、違うキャリアがあるんじゃないか?」と上司に相談したことがありました。
けれど、今はPMとして良いプロダクトを作って、ユーザーも会社も幸せにできる人になりたいと思っています。
このPMというキャリアを歩み続ける選択肢をくれたのは、コネヒトです。

コネヒトへの感謝を胸に次の環境でも頑張るぞ💪

みんなにもらったメッセージアルバム。宝物です

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