以前、ツイッターの方でWhole-Part-Whole という方法を紹介しました。 それはゲームから練習を始めて、部分的な練習を間に挟み、ゲームで終わるという、全体→部分→全体の流れで練習をすることにより、選手のゲーム理解、戦術理解が深まるというものでした。 その後、何度かこれについて詳しく教えてほしいと尋ねられることがあったので、今ここに書いて今後の回答を避けようと思います笑 Whole-Part-Wholeとは?Whole-Part-Wholeとは、先ほども書いたよ
「ある試合を選び、そこで行われた戦術的変更を正当化しなさい」という課題を出され、最初に頭に思い浮かべたのは2018年ワールドカップでフェライニを投入して流れを変えた試合でした。 この記事は、フェライニの投入が試合にどのような影響を与えたのかを検証し、ベルギーの視点からどのように正当化できるか、という課題を日本語に翻訳したものです。 動機としては、試合における「流れ」を明らかにしたいというものです。 なのでガチガチに固い文章になっています笑 また1週間でデータを集めて書
以前いかにもイングランドらしい理論だなって思ったものに出会ったのでご紹介します。 ただし注意事項があります。この記事はクリティカル(批判的)に読んでほしいです。 目次の最後にもあるように、僕はこの理論を導入して失敗した過去があります。 失敗したからといって悪い理論だということではありません。うまくいった人がいるから理論になっているので。 「これはうちのチームでは使えるのか?使えないのか?」といった視点を持って読み進めてください。 クロスの7-8ヤード理論簡単に言って
山田先生と練習の組み立てや現象の引き起こしについて話してて、「俺はこうしてるよ」って言ったら「その考え方シェアした方がいいよ」って言われたので書いていきます。 もしかしたらどこかで聞いた事があるやつかもしれません。 僕もどこかで聞いたもしくは読んだ記憶があるので。 https://twitter.com/yamadaessay/status/1255823971066368000?s=20 攻撃のトピックなら守備に制約を、守備のトピックなら攻撃に制約をつける僕は今
イングランドでは、1v1の守備が3種類あります。(あくまでも僕が把握している範囲ですが) 一つ目は前回のnoteで紹介したForcing Play。相手がある方向にプレーせざるを得ない状況に追い込む1v1の守備技術。 2つ目は今回紹介するPrevent from Turning, 「ターンさせない」1v1。相手が後ろを向いている状況で前を向かせないための1v1の守備技術。 3つ目は次回紹介するPrevent Forward Pass, 「縦パスを防ぐ」1v1。これは実質
だいぶ前の話になるのですが、ハンプシャーFA(以下FA)が開いたジュニアユース向けの「Intelligent Defending in 1v1」という講習会に行ってきて、英語では非常に覚えやすい1v1守備のキーファクターを学んだのでシェアします。 (ハンプシャーは僕が住んでいる州です) イングランドDNAまず初めに、この守備を理解するにはイングランドではFAが推し進めるイングランドDNAというものの理解が非常に重要になっており、イングランドDNAがベースにあってこその紹
みなさんはチーム全体での戦術練習や、ゲーム形式での練習でチームをどのようにオーガナイズされていますか? 先日、UEFA Bのプレコースに行ってきて、そこで紹介されたチーム全体での戦術練習においてチームを整備する優先順位が興味深かったので紹介します。 そしてこれを僕も参加している指導者交流サロンに投下したところ、「自分は違う優先順位でやっている」といった違う人の視点を得られたので、合わせて紹介します。 1. 攻守における整備の優先順位まず、ピッチには3つのエリアがあります
世の中には、「○○メソッド」といったものが溢れていますが、今回のnoteは根本的な「練習中に使う型」としてのメソッドを書いています。 すでに読んだことがあるような内容だと思いますし、僕も以前noteを始める前にブログをやっていて、そこでも書いた内容でもありますが(ここから読めます)、そこにほんの少しアップデートを加えたものでもありますので、イングランドでは練習メソッドをどのように分けているのか、参考になればと思っています。 特にテクニックとスキルの違いがわかってもらえれば
初めまして。イングランドでコーチをしているマーレー志雄(しおん)と申します。 タイトルにあるような事を、私が学んできた事や実践してきた事をベースに書いていきます。 この記事はプレミアリーグが他のリーグとプレースタイルにどのような違いがあり、その影響でどのようなフィジカルの違いが表れ、そのレベルでプレーするためには育成年代からどのようなフィジカルの準備が必要になるかということが書いた記事になります。読者の方はある程度サッカーに必要なベーシックなフィジカルの要素についての知識
先日、僕が住んでいるハンプシャー州のFAが開いた講習会に行ってきて目にしたフリーズの方法がおもしろかった、というか初めて目にしたものだったのでシェアしたいと思います。今回のnoteは超短いです。 サッカーの指導には様々な方法がありますが、フリーズというのはエクササイズを止めて(フリーズ)、選手をその場に立たせた状態で、その場面の状況を理解させる時に使う、極めて一般的なコーチング方法です。 先日行った講習会では講師の方が実際に選手を指導して、そこから学ぶ時間があり、ゲーム形
今回はキーパーについての記事です。 11月6日にボーンマスのバイタリティスタジアムでキーパー部門のスタッフ陣が講習会を開いてくれたので、行ってきました! 実は初のバイタリティスタジアムだったのですが、テレビで見るよりも小さくて驚きました。リーグ1(3部)のクラブがプレミアで戦っているっていうのは本当だったんだなって感じました笑 さて、今回の講習会ですが、理論を2時間半やりました。本当は実技があったんですが、ここのところ毎日雨が降っていて、やむなく中止に。その代わりに天気
本当になんでもないことですが、今日ふと考えてたことはツイートじゃ長すぎるのでnoteにしちゃおうと思っていま書いてます。 タイトルにあるように、「未来のサッカーってどんなのだろう」っていうのをマンU対リバプールを見ながら考え始めました。 未来と言っても30年や50年後の話ではなく、2年、5年、10年後のこと。 例えば、ほんの数年前まではビルドアップにおいてサイドバックが配球のポイントとして重要視されている時期がありましたが、いまではキーパーが配球のポイントになっています
この前フットボリスタで紹介されていた「リサイクル旋回」について深掘りして考えてみました。なぜローテーションするのか、ローテーションの型、練習など。 僕が「ローテーション」をセオリーとして学んだのはJed Davies氏が書いた「The Philosophy of Football: In Shadow of Marcelo Bielsa」からでした。 この本はビエルサのサッカーを関係者(ビエルサの下でプレーした選手・スタッフ)への聞き取りを通じて分析した本で、「ローテーショ
今回紹介するのは、昨シーズン指導していた大学生のチームで取り入れてみたPerformance Profilingというスポーツ心理学における選手への介入方法の1つです。 Performance Profilingとは、選手にそのスポーツにおいて成功するために必要なことを自覚したり、自分の長所と短所が自覚できるようになるためのツールです。 また、これは選手のためだけでなく、コーチが選手の視点を理解するためのツールでもあります。 サムネで使った画像のように、最終的にはパフォーマ
6月5日にマンチェスターまで行き、育成に関するカンファレンスに出席してきました。 お目当てはベルギーサッカー協会の指導者養成の最高責任者、クリス・ファン・デル・ヘーゲン氏のプレゼン。 他のプレゼンターからもたくさんの学びがあったのですが、クリスのプレゼンは期待していた以上の学びがありました。しかしそれと同時に大変な危機感を覚えました。 理論の部分では「うんうん、そうだよね」「これが育成にいいよね」といった、みなさんも聞いたことがあるような育成に必要なことをおっしゃっていまし
前回のブログ更新からずいぶんと経ってしまいました。 ちょっとブログが死んだっぽいのでnoteに初投稿します。(ブログの記事は読めるんですけど投稿ができない…) 今回は、06/07に開幕したばかりの女子ワールドカップについて。 それもイングランドの女子サッカーについて。 みなさんはイングランドにおける女子サッカーってどれくらい知っていますか? 軽く自己紹介しますと、僕は今シーズンイングランドで大学女子チームの監督をしてました。この役割につくまで、女子サッカーについてまあ何