【アーカイブ】10/8〜22 寒露のお菓子「稲雀」
提供:10/8〜22
菓銘:稲雀
薯蕷練切(山の芋・胡麻使用)| 栗餡
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稲刈りが済んだ田んぼに群れるすずめの姿を山の芋をつなぎにした薯蕷練切に映しました。中は秋のみのり、栗の餡です。
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「稲雀」とは本来は稲が実る頃に群れを成してついばみに来る雀たちのことだそうで、農家にとってはようやく収穫の時を迎えた実りを食い散らかす厄介者。それではどちらも気の毒で、ここではおこぼれをもらいに来る雀として稲刈りが終わったこの時期に登場してもらいました。
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一年かけて実った稲は厳しい冬を越す私たちの栄養になり、また、来年の実りをもたらす種籾にもなります。今年得た経験が次の年の福を育てる種となりますよう、今ひとときご自身をねぎらってお過ごしください。
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◎季節の一句
『丸まりて小獣(しょうきん)想う夜寒かな』
夜寒とは冬になるには少し間のある晩秋の頃、夜になって少し肌寒さを覚えることをいう。小さな獣たちはそろそろ冬眠を迎えるだろうか。布団に丸まって彼らの眠りを想う。
作: 志田 円(福岡・北九州の俳句結社「自鳴鐘」同人)
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