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ドイツ在住歴17年、日本に帰りたい?帰りたくない?【私の本音】

ドイツでの生活も早17年。振り返ると、私の考え方はライフステージの変化とともに少しずつ変わってきました。


今回は、私がドイツ生活を続けてきた背景や、日本への帰国について、現在どのように考えているのか、本音でお話したいと思います。


ドイツ生活に対する考え方の変化

2007年~2015年:学生生活


当時の高校制服を着て
30歳を記念し
自撮りしたとき🤭



高校卒業後、すぐにドイツへ渡り、2009年から音大での学生生活をスタートさせました。当時、私は高校時代に患った拒食症を克服することを目標にしており、日本に帰りたいという気持ちはまったくありませんでした。むしろ、「帰国すると症状が悪化してしまうかもしれない」という不安から、絶対に帰りたくないという思いが強かったです。


学生生活は楽しかったものの、学業を終えた後に待ち受けるビザ更新の壁は高く、将来的には帰国せざるを得ないだろうという不安も抱えていました。この頃は、拒食症克服への執念とビザ更新の制約による葛藤が入り混じっていた時期でした。

2015年~2020年:社会人生活


私立音楽学校
勤務5周年を
祝ってもらい
事務の方と記念写真♪
この1ヶ月後
コロナがはじまり
素敵なツーショットが
撮れた貴重な一枚に
なりました💝


2015年にハンブルク音大を卒業し、2年更新の仕事ビザを取得して、社会人生活を始めました。


バイオリン指導者を育成する専門的な学部で学んだ知識を活かし、経済的な自立を目指していました。しかし、3つの私立音楽学校で働いていたものの、給与は少なく、経済的な課題は解消されませんでした。



また、当時交際していた同業の方との結婚生活を考えていましたが、「協力が得られない」という問題に直面し、これまでの関係を維持することが難しくなりました。また、経済的な安定や結婚生活を見据えた将来設計を考えたとき、日本への帰国も現実的な選択肢として浮かび上がってきました。


新幹線のアクセスが
必要な田舎と都内で
どうやって🎻で生計を立てようか
必死になり
追い込まれてました


当時の経験を綴った内容はこちら:ドイツで過ごした20代、そして変わる結婚観「DINKs


2020年以降:現在の生活


2024年に自主開催した
コンサート後に
共演者の方と♪
学校の音楽ホールも
いっぱい活用してます😊



2020年にハンブルク公立音楽学校に就職し、バイオリン常勤講師としてのキャリアをスタート。収入が大幅に増え、長年抱えていた経済的な問題が解消されました。また、新しいパートナーにも恵まれ、仕事とプライベートの両面で充実した生活を送っています。



さらに、仕事で永住ビザを取得したことで、日本とドイツを自由に行き来できるようになりました。現在は、音楽面や仕事面で力を発揮できるドイツで安定した生活を送りつつ、日本での時間も大切にするバランスの取れたライフスタイルを実現しています。

私がドイツ生活を続ける理由


現在もなお、私がドイツで生活を続ける理由について、仕事面、音楽面、生活面の3つの視点からお話します。

1. 仕事環境が良い


公立音楽学校でのバイオリン常勤講師:


ハンブルク公立音楽学校🏫
とある冬の日


現在私が勤務しているハンブルク公立音楽学校は、ドイツでも数少ない公立運営の音楽学校です。



給与体系は国の労働協約「Tarifvertrag für den Öffentlichen Dienst der Länder」に基づき、福利厚生や社会保険が充実しています。また、インフレに対応した毎年の給与改定も行われており、音楽の仕事でありながら社会的・経済的に安定したシステムに感銘を受けています。


とはいえ、採用までの道のりは簡単ではありませんでした。面接試験に呼ばれるまでに4〜5年を要し、採用枠が1人という厳しい競争を経て、ようやく得たポジションです。しかし、採用後は自由に指導方法を工夫できる環境が整い、自分のバイオリンレッスンを追求できる喜びを感じています。さらに、会議や発表会の運営、保護者との面談、年30時間の研修など、多岐にわたる業務を通じて日々成長できるのも魅力です。


オーケストラ活動:


2024年最後の
オーケストラ出演した教会。
プログラムは
バッハの
『クリスマス・オラトリオ』🎄✨


現在、私は公立音楽学校で週25時間の労働契約を結びながら、不定期でオーケストラの仕事も兼任しています。


ドイツでは個性的なプログラムや特徴的な会場で演奏する機会が多く、少人数で構成されたオーケストラでは和やかな雰囲気の中でプローベ(リハーサル)やコンサートを楽しむことができます。1回のコンサートで300〜400ユーロ(約5〜6万5000円)の報酬を得られ、ストレスなく取り組める点も気に入っています。


ブルンスブュッテルの教会⛪️
8人構成のオケ
(バイオリン4、
ヴィオラ・チェロ・コントラバス・ハープ各々1)で
サン=サーンスの
『クリスマス・オラトリオ』
出演♪


プライベートおよび代行レッスン(対面&オンライン):

代行レッスンへ
行く途中に
通る公園の様子



勤務時間外には、週末や平日の朝・夜を利用してバイオリンのプライベートレッスンを行っています。現在は5人の生徒を指導しており、そのうち2人は日本在住でオンラインレッスンを受けています。また、他の先生が休職した際の代行レッスンも引き受けています。



忙しい日々の中、「体は大丈夫?」と心配されることもありますが、音大で専門的な指導法を学んでいるため、教えることに困ることはありません。むしろ、毎回のレッスンが楽しく、時間があっという間に過ぎてしまうほどです。さらに、YouTube動画の作成や自主開催コンサートも並行して行っており、バイオリンの仕事に恵まれていることに感謝しています。


もし、このような安定したシステムが日本にもあれば、帰国を考えてもいいかなと思います。

2. 芸術性が高い


音響の良さ:

近所にある教会⛪️


ドイツやヨーロッパの乾燥した気候は、湿度が低く、楽器の響きに良い影響を与えます。また、建物自体が音響を意識して設計されており、練習がしやすく、コンサートの完成度を高めてくれます。このような環境が、バイオリンの高音質を最大限に引き出してくれていると感じています。

音楽関連の経費が抑えられる:


ハンブルク中央図書館
の様子


ヨーロッパでは輸入コストが少ないため、楽譜や弦などの、音楽関連雑費が日本よりも安価です。また、ハンブルクには中央図書館があり、豊富な楽譜を借りることができるため、指導用の教材やコンサート用の楽譜の経費を、大幅に削減できます。

3. 生活環境が良い


音楽する仲間で
クリスマスマーケット🎄


休暇制度:


ドイツでは州ごとに春・夏・秋・冬の休暇が定められており、年間で合計12週間の休みがあります。この期間を利用して、健康管理や練習、自己研鑽、人との交流など、普段の勤務時間中にはできない活動に取り組むことができます。


不便さから学ぶ適応力:


ドイツでの生活では、交通機関の遅延やストライキなど、日本ではあまり経験しない不便さに直面します。しかし、こうした状況を通じて、柔軟に対応する力や助け合いの精神を身に付けることができました。不便さをポジティブに捉えることで、適応力を高める貴重な経験となっています。

永住ビザを持ちながら日本に一時帰国する理由


洋菓子より
和菓子派🍡


2020年からハンブルク公立音楽学校で勤務し、仕事永住ビザを取得した私ですが、それ以前は2年制ビザの制約がありました。そのため、当時は日本での活動や仕事を継続するために、リサーチを兼ねて、個人レッスンや自主開催コンサートを行う目的で、一時帰国していました。


現在、一時帰国の目的は変わり、主にプライベートを充実させるための時間を大切にしています。ドイツでは、オンとオフを明確に切り替える生活習慣が根付いており、そのスタイルを活かして『プライベートを楽しみながら、少しだけ仕事を行う』バランスを目指しています。


私が日本で叶えたい3つのプライベートな目標をご紹介します。

1. 日本国内旅行を満喫する


太宰治ファンになって
19年目。
ついに念願の!
斜陽館(太宰治の生家)
を訪れて
ハイテンションな私(笑)



高校を卒業してすぐにドイツの音大で学び始めた私は、日本でプライベートな時間を過ごす機会がほとんどありませんでした。当時は学生だったこともあり、旅行資金を用意するのも難しく、国内旅行を楽しむ余裕がありませんでした。


現在では、ハンブルク公立音楽学校で得た収入を活用し、これまで実現できなかった日本国内旅行を存分に楽しみたいと考えています。美しい自然や文化、歴史に触れることで、新たなインスピレーションを得られるのも楽しみの一つです。


夜の大阪城は
とても美しかった✨🏯


2. パートナーとの時間を大切にする


ドイツでは、仕事や音楽活動に集中できる環境に恵まれています。そのため、滞在中はバイオリンの練習や動画制作、レッスン教材の準備、指導法の研究など、仕事関連の活動に優先的に時間を使っています。一方、日本に住むパートナーとの時間も、私にとって重要な要素です。

動物園の
お土産コーナーで
遊ぶパートナー



普段はビデオ通話やメールで日々のコミュニケーションをとり、まとまった休暇期間には日本を訪れてパートナーと過ごしています。このように、お互いの生活を支え合いながら、仕事とプライベートのバランスを保つよう心掛けています。

また滞在中の費用はパートナーがサポートしてくれており、感謝の気持ちでいっぱいです。


喧嘩もするけど笑
いつも楽しい☺️🤝


3. ドイツ人らしいライフスタイルの取り入れ


冬休みに
クロアチアへ🇭🇷
シュトラウスを
楽しみながら
新年を迎えました🤗



日本で生まれ育った私にとって、本来であれば、日本で社会人生活を送る可能性が高かったと思います。しかし、現在はドイツを生活の拠点とし、ドイツ人が当たり前に実践している『オンとオフの切り替え』を取り入れています。



この習慣は、効率的な働き方だけでなく、プライベートを充実させる上でも、非常に役立っています。日本人の視点から見れば、私の生き方や生活スタイルは、少し変わっているように映るかもしれませんが、この特別な環境を積極的に取り入れ、一度きりの人生を、より充実したものにしたいと考えています。


クロアチアには
山岳ケーブルカーもあって
極寒のなか
綺麗な夕焼けを
山から眺めました😌💛


普段はドイツで仕事を中心に生活していますが、日本ではこの3つのプライベートな目標を実現しつつ、無理のない範囲で、バイオリンレッスンやコンサートなど、少しだけの仕事も行っています。
これが私の新しいライフスタイルとなっています。

今の生活を続けるために心がけていること


ドイツで仕事をしながら、休暇中は日本での時間を大切にするというライフスタイルを実現するため、私はいくつかの習慣とマインドセットを意識しています。

1. 毎日20分の筋トレを習慣化


毎日20分、ヨガマットと2キロのダンベルを使って筋トレを行っています。この習慣は、海外渡航での体力消耗を抑え、加齢による演奏パフォーマンスの低下を防ぐだけでなく、週25時間のレッスンや自主開催のコンサート、オーケストラ、プライベートレッスンといった、多忙なスケジュールを支える基礎体力の維持に役立っています。


筋肉をつけて
いつまでもしっかりした
演奏パフォーマンスを
維持したい


筋トレを始めてから体型が引き締まり、プロポーションが向上したことで自信も高まりました。見た目の変化だけでなく、日々のパフォーマンスにも好影響を与えていると、実感しています。

2. 質の良い睡眠と読書


十分な睡眠をとり、定期的に読書をすることで、心身のリフレッシュを図っています。これにより、仕事やプライベートの両方で必要な集中力エネルギーを保つことができています。

3. 情報の取捨選択とSNSの利用



最近では、視聴するSNSや情報の内容を吟味するように心がけています。インターネット上には膨大な情報があふれ、便利である一方で、何となく眺めているだけで時間を浪費し、結果的に記憶に残らないことも少なくありません。



そこで私は、自分にとって前向きで価値のある情報に焦点を絞るようにしています。また、古い固定観念や他人を揶揄する内容、陰謀論など、ネガティブで違和感を覚える情報は意識的に遮断しています。これにより、バイオリンの仕事やプライベートでのつながりを深め、多くの人と前向きな関係を築くことを目指しています。

私の将来ビジョン


年齢を重ねても、新しいことを学び、挑戦し続ける姿勢を大切にしていきたいと思っています。仕事を通じて、そしてプライベートを通じて、多くの人と出会い、つながりを深めながら、充実した人生を築くことが、私の目標です。



日々の習慣やポジティブなマインドセットを軸に、現在のライフスタイルを維持しつつ、一度きりの人生を心から楽しみたい。そして、未来に向かって一歩ずつ前進しながら、まだ見えてない更なる成長と充実感を、追求していきたいです。

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最後までご覧いただきありがとうございました!

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