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for serendipity1129「カナリゼーション(運河化)」

編集工学研究所・松岡正剛さんの『多読術』より。

 本にも「それそれ、それが読みたかった」ということがある。けれども、それがどの本におこるかは、わからない。わからないけれども、求めていたものに出会えると、それはまさに一期一会ですから、その出会いに感謝します。
 やがてそのフィットした本が起点になって、そこに経路ができる。いわば運河ができていく。それをぼくは「カナリゼーション」(運河化)というふうに呼んでいる。それでそこを進んで行くと、ダムがあったり、堰止(せきと)められていたりして、そこからまた発見がおこってきます。このカナリゼーションは、本を読んでいるととても頻繁に感じるルート感覚です。自分が知らない運河の水路を、本とともに航行しているんだという感じですね。そうするともう止まらない、けっして止めたいと思わなくなる。(168-169p)

 



 





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