for serendipity950「僕、詩を仕事にしたいんです」
詩人・詩業家である上田假奈代さんの『釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム』(2016)、47pより。
ココルームが生まれる以前のこと。詩に関するワークショップやライブを企画していた上田假奈代さんに大学生が「僕、詩を仕事にしたいんです」と言われたけれど、そのときは何も答えることができなかったことへの後悔に関する印象的な話が載っていました。上田さんは母の影響で3歳から詩をつくるようになったそうですが、母から「詩を仕事にしようとするな」と言われていたとのこと。「半農半X(エックス=天職)」を提唱してきた僕もよく似たことを尋ねられてきました。「僕、詩を仕事にしたいんです」と尋ねられたら僕ならいま、どう答えるか。まずは「できますよ」と伝え、そのあと、美術家・村上隆さんの『芸術起業論』にあることば(「芸術で最も重要な問題は『いかに新しい表現を探し当てられるか』に尽きます」)を伝えるかな。