セレンディピティのためのことば428「言葉を持たない役者はだめだ」
土屋恵一郎さんの『世阿弥の言葉』(2013)にある演出家・鈴木忠志さんのことば。土屋さんが書いた世阿弥のことばを自分用メモとして書いておきます。「世阿弥は言葉に対しても多分天才であった。世阿弥ほどに身体芸術についてきちんとした言葉で考え方を残した役者は、世界史上にもいない。自分の言葉をもとうとした。なぜなら、新しい芸術であった能についての言葉がなかったからだ。なければどこからか借りてくる。借りてこれなければ自分で言葉を創った。それが世阿弥である。私たちは今でも世阿弥を読むことができる。なによりも、自分の言葉をもつためである。(6~7p)