塩見直紀の試行100(049)「3つの質問」
半農半X研究所の塩見直紀が試みてきた小さな100個(本、ワークブック、ワークショップ、ツーリズム、コンセプト、コレクション、法則など)を紹介しています。
トルストイの民話に出会い、ぼくは人生で初めて、「これは歌にしたい」と思うようになりました。まずはそのお話をお伝えしましょう。
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ある皇帝が3つの質問「いちばん大事な時間はいつか?」「この世でいちばん大事な人は誰か?」「いま何をなすべきか?」に対する答えを探していた。
世界中の賢者たちに尋ねても答えが得られない。がっかりして散歩に出た皇帝は井戸の水を汲んでいる娘に出会い、この3つの質問をする。
娘は答える。いちばん大事な時間は今このとき、いちばん大事な人は今自分の横にいる人、なすべきことは自分の横にいる人に善行をおこなうことだ、と。
皇帝はよろこび、娘の重い井戸水を代わりに運んでやった。自分の横にいる娘に善いことをしてやるために。
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ロシア演劇研究家、翻訳家の安達紀子さんが紹介されていたトルストイの民話です。2008年に知り、とてもインスパイアされました。ぼくが選ぶ「GIFT100」の1つです。これは歌にしたいとあちこちで話していたら、富山の若いミュージシャン・ほんだすぐるさんが曲をつけてくれました。YouTubeでもお聞きいただけます。