for serendipity858「何よりも数多く、集めておくこと」
門田岳久さんの『宮本常一〈抵抗〉の民俗学~地方からの叛逆』(2023)「第5章 博物館と住民参加」より。「同じものがあっても構わない。また数が多いほどよいというのは宮本常一の一貫した民具収集のコンセプト」(201p)。宮本常一は佐渡の林道明への書簡のなかで「何よりも数多く、集めておくこと。同じようなものがいくつあってもかまいません」と記しています(1971年6月19日)。
(新潟県佐渡市にある旧小学校を活用した)「小木民俗博物館には一つの用途のモノが複数展示されており、全体で大量の民具が展示されているが、それはすべて宮本のこの指導に基づくものであったと言ってよい。(201p)
いつだったか、都内でおこなわれた宮本常一展に行き、とても影響を受けたものがあります。それは宮本さんが収集にあたり、大きな目標数を掲げ、人びとをインスパイアしたこと。以来、僕も何かを収集するとき、100とか1000とか10000とか、数字をいうように。これは宮本常一さんの影響だったのですね。
2023年秋、人生初の佐渡島へ。小木民俗博物館も訪ねることができ、よい「天職観光」になりました。いつかまた佐渡を再訪できたらと思います。