専門的スキルよりマーケティングやらデザインを。もっと言えば思いやりを。
専門家が一芸のみで尊敬してもらえる時代はとうに過ぎ去ったという話をしたいと思います。
あらゆる情報が民主化する時代において、数値化された技術はコモディティ化して市場価値が低下していきます。
例えば30年前は一部の専門家しかアクセスできなかった最新の論文を、今では世界中のどこにいても簡単に読むことができます。
20年前は普通のホームページを作るのに数百万円の受注をしていたのに、今ではノンコードと呼ばれるソフトを使い、コンピュータ言語を全く知らない人が自分でwebページを作れるようになりました。
10年前まで、会社の総務課では人事労務や経理担当に多くの人員を割いていましたが、今ではそれらの作業の多くをSaaSと呼ばれるソフトウェアが自動で行なってくれます。
10年後には、AirPodsが目の前の人の言葉を自動翻訳して、全く違う言語を操る者同士がデバイスを使うことにより母国語だけで音声コミュニケーションがとれるようになるでしょう。
論文を調べるだけの人、webページのコードを書くだけの人、経理を計算するだけの人、翻訳するだけの人、また教育業務とか医療現場での臨床業務をできる一芸だけの人の価値は今後もどんどん下がっていくことになるでしょう。
ではどのような方が求められるかというと、職場の仲間や仕事相手が必要としていることを先回りして解決できる人だと思います。
相手の出したい成果を考えた上で、必要な論文情報を集めたり、webページを設計・デザインしたり、経理の効率化や財務体制改善の提案をしたり、文脈や社会情勢を踏まえて翻訳のニュアンスを変えたり、個々に最適化された教育や医療を提供したりすることが求められていきます。
コーディングスキルが一流だけれどもコミュニケーションが成立しづらい人よりは、ノンコードでセンス良くwebページを作る人の方が求められていくと思います。
医療的な知識や肩書きが優れているけれども難しい話ばかりしてつまらない人よりも、知識はそれほどではなくても礼儀正しく清潔で気遣ってくれる医療職の人の方が求められていくと思います。
ざっくり言うと、マニュアル化しづらい作業を周囲への思いやりを持ってやっていくのが良いのかなーと考えています。
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