産業廃棄物のお姫様 あやめ外伝 中学生活 10
学校が始まってから特に変わった事も起きず運動会も終わり紅葉の季節がやって来た。
水着で騒いでいた事が昨日のようだ。
突然夕飯が終わってから明菜が手を挙げて
『ハロウィンパーティーを開催したいと思ってまーす!10月31日に開催決定!!異論は受けないわ!』
明菜がノリノリでみんなでコスプレしようと言い出した。
『異議しかねーんだけど!』
龍一と蓮二はハモりながら異議を唱えた。
『黙れ!マッシュルーム…いや毒キノコ×2!異論は聞かないって言ったでしょ!』
『誰が毒キノコだ!異論じゃなくて意義だ!俺らは仮装なんかしねぇぞ!ってか俺らの髪型ってマッシュルームカットなの?』
『仮装は女の子だけのもの♡ 毒キノコは既に仮装してるでしょ?』
明菜は悪意しかない言い方をした。
『そんなもん彼氏とやってろよ!』
蓮二が明菜に苦言した。
『最近別れたのよ!ほじくり返さないでくれる!?だから家でみんなで楽しむ事にしたんだからノって来なさいよね!』
明菜は最近彼氏と別れた…。
あまりほじくり返すとアッパーでも喰らいそうなので龍一も蓮二も黙っていた。吉澤家の女は強い。
『あやめちゃんもしようね!仮装は体操服とかどう?』
勝手に衣装まで決めてやる気満々だ。
「あたしもしたい!」
あやめは吉澤家の賑わう様子が好きだったので参加を決めた。
ーー当日ーー
彩菜と瑠衣は朝から手作りでマフィンを作っていた。あやめと秋乃もマフィンのカップをテーブルに並べたりして手伝いをしていた。
『そこにあるマフィンは冷めてるからあやめちゃんと秋乃ちゃんでナイロンに詰めてもらってもいいかな?せっかくだから下積みの子達にも1個ずつ配ろうと思って。…ところで言い出しっぺの明菜ちゃんは何してるのかしら?』
彩菜は明菜が居ないので瑠衣に尋ねた。
『それが朝から顔見てないのよ。ホントごめんなさいね…。』
ホント若い子はね~…と言わんばっかりに彩菜と瑠衣は顔を合わせ変に納得し合っていた。その横で体操服姿のあやめと制服の秋乃が冷めたマフィンを黙々と詰めていた。
大きなカゴを2つ用意してマフィンを分けた。
あやめと秋乃は一緒に下積みの部屋に行ってマフィンを全員に配った。皆とても喜んでいた。彩菜と瑠衣も一緒にその様子を見て楽しんだ。
『ハロウィンってお菓子貰うんじゃなかったっけ?うち配ったわよね。まぁイベントとして楽しめたしよかったわよね!あの子達は貰ったんだから成立よね!』
彩菜は笑っていた。
その後明菜以外全員リビングで集まって残ったマフィンを家族に配って皆でオードブルとケーキを食べて楽しく過ごした。
結局夜になっても明菜は帰って来なかった。
ある程度片付けを済ませて部屋に戻った後、龍一があやめの部屋に来てちょっかいを出して来た。
あやめはそれが嬉しくて龍一に寄り添った。
『お!あやめ…いつになくやる気を感じる…』
単にあやめがくっついているだけなのに煩悩の塊の龍一には勝手にそう解釈した。
「えっちするならコンドーム絶対使ってね!」
あやめはいつもの3倍くらいのトーンで注意して引き出しからコンドームを1つ出して龍一の目の前に付き出した。
『わかってるって…そんな大っきい声で言わなくても…持って来てるし…』
そんな事より龍一はあやめの体操服の姿が可愛過ぎてたまらない。幼い顔と大人顔負けの胸のギャップがあるあやめの虜と化している。
しかもこの体操服がホットパンツなのでエロさを強調していた。龍一は尻から太ももにかけてのラインが目から離せなくなっていた。
『あやめ…』
「リュウ…」
龍一はあやめの太もものラインに興奮し過ぎて向かい合って2度連続で抱いた。
『ねぇ…背後からしてもいい?』
調子に乗って違う角度から攻めたくなった龍一。
「ぇ…待って…。」
あやめは背後から迫られて怖くなった。
1度は許したけど2回目は嫌だった。
あやめから何らかのフェロモンが排出しているのかまた龍一はあやかしモードに入ってしまっている。
「やめて…イヤ!」
あやめは龍一の頭を叩いたがまたしつこく背後から来たのがとても嫌だったのであやめは手元にあった携帯で彩菜の携帯に電話した。
「痛い!怖い!リュウあたしの声が聞こえてないの!お母さん!助けて!」
あやめの電話で彩菜がすっ飛んで来て部屋に乱入し龍一の頭にかかと落としを喰らわせた。流石の龍一も気を失う寸前になった。
『龍一!アンタはあやめちゃんをレイプするつもりなの!?大事にしなさいって言ったわよね!…っとに何が背後からよ!10年早いわ!調子に乗ってんじゃないわよ!』
彩菜はあやめに防御方と鉄拳制裁のやり方を伝授した。それが効くのかどうか…。
『龍一…あやめちゃんの部屋に有刺鉄線でも張らせたいの?相手の気持ち考えなさい!ヤりたい事で頭がいっぱいになり過ぎなのよ!盛りのついたサルみたいに!!』
『でも今日は…あやめが寄りかかって来て可愛かったから…』
『だからって嫌がるまでする事ないでしょ!?バカなんじゃないの!?』
彩菜は龍一に対して怒りMAXになった。
『あやめから妖艶なフェロモン?すごく甘ったるい匂いがして…気がついたら夢中に…』
『は!?頭イッてるの!?二度とあやめちゃんが助けを呼ぶような事するんじゃないわよ!嫌がってるのに無理矢理するなんて単なる危険人物じゃないの!!』
彩菜に激しく叱咤された龍一は反省しあやめに深く謝った。
あやめに謝るのはこれで何度目になるのだろう。
今回はあやめもすぐに許さなかった。
ーー3階リビングーー
『次はクリスマスツリー出さなくちゃね。それにしても明菜は何してるのかしら?携帯も繋がらないし!』
瑠衣は言い出しっぺの明菜が結局最後まで居ない上にまだ帰宅していないことにかなり苛立っていた。
『ママ、もう後は全部お姉ちゃんにやらそうよ!』
秋乃もかなり腹を立てていた。
21時前、明菜が外から帰って来た。
なんと彼氏とよりを戻して盛り上がってハロウィンパーティーをしていたらしい。
全てに関して自分勝手過ぎる明菜に瑠衣の堪忍袋の尾が切れた。
翌日全員揃っている所で謝罪するように叱りつけた。明菜は自分が調子に乗っていた事を反省するしかなかった。
明菜はその後あやめの部屋を訪ねた。
『あやめちゃん…いいかな?』
「明菜ちゃん?どうしたの?」
意外な訪問客に驚いた。
『今日…ゴメンね…私、彼氏と一緒に居たの。』
頭を下げた。
「そうだったんだ。」
なんとなく気持ちがわかるあやめ。
『どう?コスプレして龍一といい感じになれた?』
嬉しそうに聞かれたけどテンションが上がらないあやめ。
「あのね…2回連続でしたの。その後背後から2回も来て…痛くて…顔も見えないし…嫌過ぎて2回目背後から来た時お母さんに電話したら飛んできてリュウの頭蹴って収まったの。明菜ちゃんは背後からされるのどう思う?」
明菜は質問よりもあやめが何で彩菜に電話をかけたのかが理解出来なかった。
『…おばさんが飛んで来たの?…そんな時も鍵開けっ放しなの?彼氏と一緒に居る時って鍵かけた方がいいと思うわよ?』
「鍵はどうでもいいの…明菜ちゃんは彼氏がいるんだよね?えっちの時背後から来られるの平気?」
明菜はその話をはぐらかそうとしたのに同じ質問を重ねられて来た。
『う~ん…背後から抱き着かれるのは好きかな。かわいいって思っちゃう。気持ちいいし。』
明菜はあくまでイチャイチャしている時の事を言って話題をはぐらかした。
「明菜ちゃん、彼氏に背後からおちんちん挿れられてかわいいって思うの?気持ちいいの?あたし嫌だよ…恥ずかしい…痛かった…全然気持ちよくないよぉ…。」
ダイレクトな単語が出て来たので明菜はこの質問から逃げれないと思い腹を括った。
『あ…そっち?私も…まぁ…あんまり…好きじゃないかな…ってかあやめちゃんが痛いのは…何度もし過ぎが原因じゃないのかな…?』
答えはあやめ寄りにして…痛いのは別の理由じゃないのかと明菜は思わずツッコんでしまった。
「秋乃ちゃんに借りた漫画でも背後から…でもあやめ顔が見えないのやだなぁ。」
『待って!この話もうやめよ!』
あやめはこのまま放っておくと何を発言するかわからないのでストップをかけた。
『ってかあやめちゃんってえっちの現場におばさんが乱入して来て恥ずかしくないの?初めての時も乱入されてなかったっけ?龍一がぼやいてた気がする…。』
「恥ずかしくないよ?今日なんてお母さん呼ばないと止まらなかったし…。来てくれて安心したよ?…初めての時部屋に偶然来たけどそれ以外は来た事ないよ?」
『あやめちゃん…変わってる…親に見られるの一番恥ずかしいし気まずくない?』
「だって怖かったんだもん。リュウもお母さんが来たら止めてくれるし。リュウはえっちしてると耳が聞こえなくなるの。だから嫌だって言っても聞いてくれないの。明菜ちゃんの彼氏もそうなの?」
あやめは龍一しか知らないので明菜の彼氏もそうなるのか尋ねた。
『そんな事ないない!初めて聞いたわ。夢中になり過ぎ?』
「リュウが言うにはあやめの体からいい匂いがして…何も聞こえなくなるって言ってた。」
『何それ!?凄い特異体質なんじゃないの!?』
「わかんない…耳が聞こえなくなったリュウはちょっと怖い…。」
『やめてって声も聞こえないんだ…それは嫌だね。』
「うん…リュウだけなのかなぁ?」
『龍一が…ってよりあやめちゃんから龍一にしかわからない何かを放出してるのかも?』
「え?あたしに何かがあるの?…でも今日のリュウの事はちょっと怒ってるの。しばらく蓮二とゲームして遊ぶ!リュウとしばらく口聞かないもん!フーンだ!」
笑っているが目が笑っていなかった。
明菜はその表情がちょっと怖かった。以前にも妙なオーラを纏ったりする姿を見ているのであやめから龍一が夢中になる何かを持っているのはあながち間違いではないと思った。
いい加減な時間だったので明菜はあやめにおやすみの挨拶をして自室に戻って行った。