令和のラブレター
私の友人に、Vtuberをしている子がいる。名前はNovalis(ノヴァリス)ちゃん。
歌唱動画を中心に、ゲーム配信なんかも行っていて、バラエティーに富んだ活動をしている印象がある。
彼女には話していないけど、結構ライブ配信を覗きに行っている。なんかほら、直接言うの恥ずかしいし、ストーカーみたいだなって思っている節があるので、未だにコッソリ覗きに行っている。(この記事の清書も、彼女のライブ配信を流しながら書いている)
そんな彼女が、少し前にオリジナル楽曲を発表した。
Novalis:『ディア エメラルド』
キャッチーなエレクトロサウンドに重なる、Novalisちゃんの少しハスキーで優しい歌声が、たまらなく心地よい。配信されてからほぼ毎日聞いてるけど全然飽きない。
友人の活動だから色眼鏡でこう言っていると思われそうだが、贔屓目なしにいい曲なのでここに書いている。いやマジでいい曲なので初めて聞いたときビックリした。
そして、Vtuberとしては珍しく、ジャニオタを全面的に出して活動している彼女。
この楽曲は、彼女の担当であるSnowManの阿部亮平くんの誕生日をお祝いして制作した曲で、歌詞の節々に阿部くんやSnowManを感じさせるギミックがたくさん組み込まれている。
阿部くんに限らず、SnowManが好きな人は、この歌詞に「おぉお!」となるだろう。私もその一人だから。(ちなみに私の担当はラウールくん)
色々書いているが、この曲を初めて聞いた時の私の印象は
『阿部くんへのラブレター』
だった。ラブソングじゃなくてラブレター。
しかもそのラブは、アイドルとファン、という関係が明確になっているラブレターだと思った。
という歌詞を聞いた時、私は胸がギュンギュンに締め付けられた。
円周率100桁暗唱を特技とする稀有なアイドル、阿部亮平。彼が好きなもの、彼の学んできたものをなぞろうとするのはオタクの性。だけど円周率の暗唱はぱっと習得できるものでもないし、そもそも生きる上で急を要さない数字の暗記なんて無理だと私は思っている。
だからこそ、『3.14の続きは分からない』つまり、あなたの知っている解の詳細は分からないし、あなたがどう考えているかは分からないけど、ひとつだけ確かなものがある、それは…という文脈になっているこの歌詞が、いちオタクとしてめちゃくちゃ共感するところがあったのだろう。
そしてそこから繋がる、『wanna make you smile 私なりのQ.E.D』という歌詞。
Jr.時代が長く、日の目を見るまで時間がかかった阿部くんとSnowMan。だからこそ、オタクは自担が笑顔でいてくれることが一番の幸せであり、オタクの一番の願いである。
そして『私なりのQ.E.D』。これ、すっごいキラーフレーズだと思ってる。
Answerでもよかったはず。だって自分で考えた答えなんだから。だけどそこがQ.E.Dなのは、やっぱり相手が阿部くんだからかなと勝手に思っている。彼が笑顔でいること、その解はただの答えではなく、これまでの彼の過去と、オタクが個人で解釈したうえで立てた仮説がきちんと自分の中で証明されたということなのだ。
情報技術が発達して、誰もが情報の発信者となれるようになった昨今。こうした形で推しへの愛を表現するのは、時代に即していていいなと思ったのと同時に、子どもたちがVtuberにハマる理由も少しだけ分かった気がする。
日常を生きる自分とは違う存在になれるVtuber。
いつの時代も、子どもたちは変身ヒーローに憧れる。
プリキュアや仮面ライダーとは違うからこそ、子どもたちのなかにある変身願望を「頑張れば自分も出来る」と思わせてくれる、身近な存在。
もしかして、これからの児童教育とVtuberってすごくいい化学反応があるんじゃないかな、とか思ってみたりした冬の夜。
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