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シニシズムを排除する【DEI#34】
こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。
ハーバード・ビジネス・レビュー3月号について、頭の整理もかねて整理していきたいと思います。
シニシズムの罠
シニシズムは、人々が価値や信念に対して冷淡である態度や哲学を指しており、社会や組織にさまざまな弊害をもたらす可能性がある。シニシズムを持つ人は、職場で噂話をまき散らしたり、攻撃的であったりする。シニカルであることはかっこいいという風潮もあるから困ったものだ。
そんなシニシズムを一掃する方法について紹介しているレポート記事が、Don’t Let Cynicism Undermine Your Workplaceだ。
意識的に信頼をすること
リーダーが従業員を信頼せず、マイクロマネジメントを行い、監視しようとすれば、彼らは反発し、責任を回避しようとし、最終的には職場を去る。しかし、リーダーが信頼を示せば、従業員はその信頼に応えようとするはずだ。
他人への信頼を示すことは、リーダーが組織内の不振や被害妄想を和らげるうえで、手軽に実践できる方法だ。従業員が自分自身で選択できるように裁量を与えればよい。
ある大手企業と話した際に、モチベーションに最も影響を与えるものは裁量であるとの分析が出たといったことを思い出した。プレイングマネジャーは何でも自分でやりたがる。それのほうが効率的だし、短期的には結果が出るからだ。でもそこには信頼は生まれない。信頼を意識的に置いていく心がけが重要といえそうだ。
メモ
ようやくアフターコロナになり、リモートワークの取り扱いについて苦慮する企業が多くなっている気がする。リモートワークは明らかに効率的に見えるからそれを通常に戻すことは至難であるが、メンバーの接触機会が少なくなることは大きなデメリットがあるということを共有しておく必要がありそうだ。
リモートワークが中心となったチームの場合、この状況を解消するには、まず対面の回数を構造的に増やすことだ。単に出社するように伝えるだけでなく、出社する意味を考えて、接触したときに何を達成するかという目的を与える。そしてその目的のために何をすればよいかみんなで議論するとよいだろう。