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sio
2022年6月30日 19:42
法事に向けた準備なんて気が重いことを律儀にできるわけもなく、当日の朝、性懲りも無くバタバタと喪服の用意をした。先に家を出る両親を横目に、一人で身支度を整える。出発の予定時間を勘違いしていたので10分遅れでお寺に到着する。兄の死を受け入れている自分と、受け入れられない自分が交互にやってくる。前者は「子どもや配偶者を亡くした人に比べれば、この悲しみは軽いものだ。どれだけ悲しもうが死んだ人は蘇らない
2022年6月26日 00:31
今年1月に赤ちゃんが生まれたばかりの友人と、その赤ちゃんの顔を見に小田原へ行った。この赤子は兄が息を引き取った病院で産まれた子である。まったく関係ないけれど、なんだか不思議な縁を思ってしまう。幼馴染3人が集まる。もう20年以上の仲で友人というか親戚に近い。もちろんそれぞれの親、兄弟、祖父母の顔も知っている。集まれば頻繁に互いの家族の話になる。約半年ぶりに会った赤子はすくすくと成長して元気そ
2022年6月12日 23:41
知人の展示を観に湯河原へ向かった。物心ついてから湯河原へ初めて行ったのは、数年前に兄が仕事で作業中に、高いところから川へ落ちて湯河原の病院へ入院したときだった。お見舞いがてら遊びに行ったことも数回あるが、なぜかうまく遊べず楽しめなかった。それからずっと足が遠のいていた。そのときの兄は幸い命に別状はなく、両足首の骨の複雑骨折で済んだ。相当痛かっただろうし、打ち所が悪ければ死んでいたし、しばらく歩