作詞・入門講座 2-1 (SK2-1)。  ②「作詞」について。  (「曲先と詞先」。 作詞の「雛形」について)

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まえがき

「作詞」について

・「作詞」関係について、「苦手」な方。 これから始めたい方。 「入門・初心」者の方などを対象に、少し、細かく書いてみたいと思います。

「作詞」のやり方は、「作曲」と同様、「音楽のジャンル」や「目的」。「スタイル」は「好み」によるので、結局は、各自、
「自分のスタイル」を見つけるしかないと思います。

また、「作詞」の本は、作詞の「ノウハウ(方法)」の段階の内容が書かれていますので、その「前段・土台」となる「国語力」がないと、「作詞」の本を買って読んでみたけれど、結局、「作詞ができない」となってしまうと思います。 ということで、「国語・現代文」。「小説」も含めて書いてみたいと思います。


1。 「曲先と詞先」。 作詞の「雛形」について

「曲先と詞先」。 作詞の「雛形」について

①。「曲先」である場合 
  まず先に「曲」を書き、 それに対して「詞」を書く場合と、

②。「詞先」である場合  
  まず先に「詞」を書き、 それに対して「曲」を書く場合があります。


自分の歌を、「作詞・作曲」両方をやる場合は、好きな順番でいいです。
ただ、「詞先」の場合は、注意が必要です。

「作詞」とは、「自由詩(ポエム)」と違い、制限なく自由に書くことはできません。 「音楽(曲)の形式」というものがあり、その制限の中で収まるように、まとめなければなりません。

「音楽(曲)の形式」とは、例えば、曲が「2番」まである場合でしたら、そこまでが限度ですからこの中に丁度収まるように、書き上げる必要があります。 では、具体的には、どのような枠に収めたらいいのでしょうか?  

とにかく、とは、「作曲」との共同作業ですから、「曲」との兼ね合いを考慮するわけなんですが、その「曲」も、決まった「形式」は、実はありません。 最終的には、「自由」です。

しかし、だからといって、「でたらめ」であるとか、「無制限」というわけでもありません。

ということで、それでは、説明のしようがありませんので、「基本的」な場合を例に考えてみます。 そうしますと、「一定の形式」というものがあります。 それは、「音楽形式」の「2(3)部形式」というものがありますが、それを応用したものが、「四行詞」です。


「四行詞」

「四行詞」の例です。
1番 = 「Aメロ」
  +「A'メロ」
  +「Bメロ」
  +「B'(または、C)メロ」
  = 四行詞

「各メロ」は、「一行の詞」に相当します。 
ですので、合計すると、「4行」となります。
すなわち、「四行詞」といわれる書き方が、代表例です。


ですので、2番まである歌を書く場合は、単純に、2倍となりますから、
  1番 = 「Aメロ」+「A'メロ」+「Bメロ」+「B'(C)メロ」 = 四行詞
  2番 = 「Aメロ」+「A'メロ」+「Bメロ」+「B'(C)メロ」 = 四行詞
   ということで、合計「8行」の詞を書く。となります。


■ では、「1行」は、「何文字」でしょうか? 

これも、「決まっていません」。 それでは、書きようがありませんので、「仮」に決めるとすると、私の場合ですが、「七五調」でやっています。
そうしますと

1行 = 7+5 + 7+5 (計24文字)
   = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○

「○ = 1文字」 です。 ということで、
「1行」当たり、「七五七五」の、計「24文字」となります。 
ですので、これを、2番まである歌謡曲にする場合は、

 1番 Aメロ   = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 1番 A'メロ  = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 1番 Bメロ   = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 1番 B'(C)メロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○

 2番 Aメロ   = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 2番 A'メロ  = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 2番 Bメロ   = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
 2番 B'(C)メロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○

↑このようになります。 例えば、
「2番」まである歌の「雛形」ができました。 

もちろん、これは、「決定」ではありません。 しかし、「雛形」がありませんと、「書きようがありません」ので、「仮」の「雛形」です。

ここで、注意しておきたい事は、「1番」と「2番」は、「同じ」ということです。 また、「1行」の「文字数」の順番も、とりあえず、「7+5 文字」の順にします。

このように、「作詞」の「雛形」を、「自分なり」に、「仮」に、作っておけば、とりあえず、「原案(草案)」的な「作詞」の準備ができましたので、「作詞」が得意な方の場合は、「作詞」だけを先行して、どんどん、「書き溜める(ストック)」こともできます。

ということで、私の場合の例ですが、「作詞」の「仮」の「雛形」について、ポイントを書いてみました。

余談ではありますが、「都々逸」というものがありますが、これは、1行が、「七七七五」の定型詩です。 もちろん、「俳句・川柳」は、「五七五」。 「和歌(短歌)」は、「五七五七七」 でした。