文学の散歩道 (BU1J-3)「大つもごり」(樋口一葉)
前回の
文学の散歩道 (BU1J-2) 「義血侠血(滝の白糸)」(泉 鏡花) 2
に関連しまして、
◆ こういう「筋書」はよくあるわけですが、例えば、樋口一葉の「大つもごり」もそうです。 せっかくですので、「あらすじ」です。
・「金持ちの家(山村家)」に奉公する、娘「お峰」は、養父同然に世話になった「叔父」の病気難儀のため、「金の工面(二円)」を頼まれます。
「お峰」は、お上さんに「前借り」を頼みますが、反故されてしまいます。
それに怒った「お峰」は、こっそり、「山村家」の「お金(二円分)」を、引き出しから盗んでしまいます。
「大つもごり(大晦日)」の日、決算のため、家中のお金を勘定することになりました。
引き出しの金を、「二円分」盗んだので、「二円分」不足していることはわかります。
また、お上さんに「二円」、前借りを申し入れしていたこともあり、自分が犯人だと疑われるのは必至です。 万事休す「お峰」・・・
ところが、なぜか「お峰」は、犯人にはなりませんでした。
実は、偶然にも、山村家の「ドラ息子」が、引き出しのお金を「丸ごと」持ち出し、書置きをしていったのです。 なので、「お峰」が「二円」引き抜いたことはわからなくなってしまったわけです。
・ということで、最後は、「悲劇」ではなく、「喜劇」のような「オチ」で終わっているところが、おもしろいところですね。。。
■関連小説として、「樋口一葉」を紹介しましたが、私の好きな小説家です。
「現代語訳」もありますが、全作品あるわけではないので、「現代語訳」のない小説は「原文」で四苦八苦しながら、読みました。。。 ^^
「樋口一葉」は、女性なので、「女性」の視点で描かれた作品なのですが、「心温まる」作品や、「ラブストーリー」もあります。
しかし、その背景・深層には、
「"女性"としての、あまりにも"悲しく悲惨"な運命」が書かれています。
それを知ると、「心温まる」作品や、「ラブストーリー」も、思わず、胸が詰まる思いです。。。
有名な「雪国」や「伊豆の踊子」(川端康成)なども、表面的には、「ラブストーリー」ですが、やはり「"女性"としての、あまりに"悲しく悲惨"な運命」が書かれていることを知りました。。。
また、「歌行灯」(泉 鏡花)も、そうですね。。。
ということで、前回の
文学の散歩道 (BU1J-2) 「義血侠血(滝の白糸)」(泉 鏡花) 2
に関連した内容も記してみました。