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文学の散歩道 (BU1C) 「小説」の理解。読解。「論文」

目次(表紙)

■「小説」の理解。読解。 「論文」

・「小説」の理解。読解には、「国語(現代文)」の勉強がなんといっても必要だと思いますが、直接的な勉強になるお話しです。

「伊豆の踊子。古都。雪国(川端康成)」。 「絶唱(大江賢次)」。 「こころ。坊っちゃん(夏目漱石)」。「二十四の瞳(壺井栄)」。 「野菊の墓(伊藤左千夫)」。 「雁(森鴎外)」。「にごりえ・たけくらべ(樋口一葉)」。 「婦(おんな)系図(泉 鏡花)」。 「浮雲(二葉亭四迷)」。「桑の実(鈴木三重吉)」。 「金色夜叉(尾崎紅葉)」。 「不如帰(ほととぎす)(徳冨蘆花)」・・・。

自分の「好み」の小説はこうゆうところなのですが、「小説」の理解。読解だからといっても、「あらすじ」を読んでも、ほとんど意味はないと思います。

「あらすじ」は、ネット検索しますと、各「小説」の読書好きの方が、「あらすじ」などを書かれていますのでだいたい、内容の筋はわかります。 しかし、「理解。読解」とは、別ものなので、おすすめなのは「論文」です。

・「論文」は、「大学図書館」。「国の機関」関係にあります。
これを「ネット」で、公開しているものは読むことができます。


■CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所。  「論文・検索サイト」

例えば、「川端康成 伊豆の踊子」と、入力して検索しますと、一覧が出てきます。
「非公開」もありますので、全てを読むことができるわけではなく、「公開」されているものだけですので注意してください。

「論文」ですから、大変、内容も濃く、高度な分析・解釈がされていますので、非常に勉強になります。

例えば、「伊豆の踊子」にしても、「趣味・娯楽」としての「読書」では、「あらすじ」中心の読みが多いものでしょう。 どこで、だれが、どんな風に出会い関係し、どんな出来事があり、そして、どうなったのか。という具合ですよね。

しかし、それだけでは、「娯楽」として終わってしまいます。 やはり、「読む側」ではなく、「書く側」の立場になったら・・・という観点で読まないと、意味がありません。 

「小説」を書くわけではないのですが、「作詞(歌詞)」は、「ミニ小説版」だと思いますので、やはり、「書く立場」としての勉強。読みが必要かと思います。 そうしますと、「論文」の解釈は、大変、勉強になります。


◆ 「伊豆の踊子」にしても、単に「純愛物語」としての「娯楽」としてだけの読みだけに終わらず、「なぜ」。「どうして」という「深い読み」。「筆者のこの物語に込めた主題・メッセージ」を読みとることが重要なのは、国語の読解の最重要ポイントでもありますように。

だからこそ、「現代文」の最終問題は、「主題」を含む要約問題なわけです。。。 (「筆者のこの物語に込めた主題・メッセージ」)

となりますと、「伊豆の踊子」も、いろいろな「主題・メッセージ」が隠されていたことが読み取れます。

「伊豆の踊子」は、「純愛物語」というラブストーリーです。
「あらすじ」としての「表面的」な表現としては、「心を病んだ青年」が、いわば、気分転換のために、「伊豆」の旅に出かけます。 今でいう、観光旅行をして「リフレッシュ」しようとしたわけです。

そして、「伊豆」につき、旅をし始めた頃、旅芸人の一座に出会いました。
その中の一人が、「踊子」です。

「青年」は、この「踊子」に心ひかれます。 そして、とうとう、男性を通じて、座長に「旅の同行を申し出ます」。
OKがでましたので、いっしょに、伊豆を旅することになるわけです。

OKがでてよかったですよね。 OKもでず、「踊子」を「青年」が追いかけたら、今、流行りの「ストーカー」小説になってしまいます。。。

話しを戻しますが・・・。  そして、その旅の途中である人間ドラマ。 人間模様が、「踊子」を中心に、この「青年」の「心を解きほぐし癒す」ことになるわけです。

いわば、「人間回復」のドラマです。
では、どんな場面で、どのように「回復」していくのか。 「著者の主題・メッセージ」であるそれを、具体的に探究し読み解くのが、「論文」ということです。

ですので、「論文」を読むと、「小説」の「物語」という「表面・オブラート」に包まれた「あらすじ」の中にある、「深層」の「著者の主題・メッセージ」がわかってきます。

もちろん、「論文」は、「著者・本人」ではありませんから、著者の本当のことはわかりません。
しかし、「著者」は「読者」に、「メッセージ」を伝えたいがために、「物語(小説)」という表現で書いているわけですから、「推測・憶測」できなければ伝わりませんので、ほぼ「論文」で理解できるはずです。

ということで、「論文」は、「小説」の読解には、直接的な参考になります。