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【イラストエッセイ】 粉末スープ

カップ麺の中に入っている
粉末スープを
私は一度も上手く開けられたことがない。
「どこからでも開けられます」
と親切に書かれてあるにも関わらずだ。

力の入れ方が昔から不器用で
小麦粉、片栗粉などの粉物も
すぐにブワッとこぼしてしまう。

そんな日常生活の不器用さは
木の枝のように内側にも伸びていて 
人との関わり方も不器用だ。
話すことに分厚い壁を感じてしまい
愛情だけを一方的に残して
何も言わず静かに消えようとしてしまう。

何事にも存在する親切というものを
上手く受け取ることができず
それを上手く推し量ることもできず
こうしてまた
失敗し変形した粉末スープの袋を睨みながら
自分の不器用さに落胆する。

不器用さが緩和されて
イラストのように粉末スープを上手く
開けられるようになったら
内側の枝をつたって
人との関わり方も
上手く切り拓いていけるかな



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