01)長々プレゼンが、激烈かったるい!
私は某総合通販(いろいろたどればスグわかる)で15年近く、編集者・編集長という仕事に就いていました。それまでの6年近くは、広告制作会社のコピーライターや編集プロダクションの編集者ででした。あぁ、めんどくせい。整理します。
・広告制作会社:コピーライター<4年>=1次下請け
・編集プロダクション・編集者<2年>=1次下請け
・総合通販:編集者・編集長<15年>=クライアント
・通販サイト:責任者<5年>=クライアント
・フリーランス:自由人=2次下請け
だいたいこんな感じ。下請けというとなんだか、下の仕事みたいだけど、クライアントから仕事いただく側ね。クライアント側には20年近くいた。そこでよく思うのが、下請け時代によくわからなかった、クライアントのブラックボックスを守秘義務にはひっかからないようにして、お伝えする。もち、僕なんて意識低い系なので、「いやいやいや、てめーはそうだけど、おいらは違うよッ。クライアントみたいな不定形の生命体を定義すんじゃねぇ。」的なコメントには、「そうですね」と返事、先にしておきます。
クライアントは喜んでいない、そんなことは
良かれと思って、評価につながると思って、褒められると思って、役に立つと思って、使えると思って、、、、さまざまな「思い違いの思って」がクライアントのもとに寄せられます。実はすごくメイワクなこともあります。下請け歴6年、クライアント歴20年、下請けの下請け(フリーランス)歴2年の筆者が、クライアント時代に遭遇した「メイワク」なアレコレを、ご紹介しまくります。
長々プレゼンが、激烈かったるい
プレゼン、広告代理店・デザイン会社・編集プロダクション、まぁ皆さん1度は参加したことがあるでしょう。良かれと思っていろいろ思い違いしてませんか?そう「長々プレゼン」。激烈かったるいを構成しているチームメンバーを紹介していきます。かったるさの度合いを★の数で表していきます。
資料が30Pを越えている→★★★★
いちいち全部音読する→★★★★★★★★★★★★
今聞きたいのに、質問は最後にまとめてという→★★★★★★★
トリッキーなアイデアから提案→★★★★
コストが最後でパターンが多い→★★★★
プレゼンって、資料渡したら、ペラペラとめくられたことありません?説明しているのに、どんどん先に行っちゃう。これは「あの会社、オリエンで説明したことちゃんと反映してるやろな」というクライアント不安解消アクションです。そもそも、プレゼンで望んでいるのは
「言ったことが伝わっている安パイモノ」
「既存の延長線上だが、オリエン+独自課題発見で発展した改善モノ」
「条件付きだが、クリエイティブ豊かなモノ」
だけでした。ショートプログラムと言われる規定演技はきちんとこなしている、そこから発展して課題を見つけて改善したアイデアにつなげる。最期はあれば、個性的なクリエイティブ豊かなモノ。ただしそういったものには、コスト・納期・人員、、、と条件が付帯する。
プレゼンは茶番じゃない、いいプレゼンは聞きたいと思う。だが、トンチンカンなところから攻めてこられたりすると、オリエンの話聞いてた?となる。他部門・上司同席のプレゼンなら、なお目があてられない。クライアントとしての社内の立場もない。。。
短くすりゃぁいいって話じゃなくて
プレゼンで資料すべて音読する人、ほんまに苦手です。昼イチだと寝てしますぞッ。かいつまんで、欲しい。比較的要点をサラリと。でも、メリハリ欲しい。このプレゼンって、実はクライアント側でも使いまわすトークスクリプトになります。だから、それをそのまま社内のプレゼン承認の場で使いたい。そんなことも、プレゼンには期待しているのです。
意思決定をシンプルできるようにしてほしい
僕みたいな、クライアントの風下にもいてはいけなさそうな、ヤツが言うのもなんですが、プレゼンではこちらの意思決定をシンプルにできるようにしてほしい。知ってましたか?プレゼンはたいがい複数社で行われ、それらを比較検討します。比較軸を揃える、コピーした紙をトントンと揃えるイメージ。これが凸凹しすぎてたら、どこで比べるのか難しくなる。
みんなデキルクライアントじゃぁない
お金・仕事もらっていると、相手の方がウワテと思いがち。クライアントはその仕事・業界・自社のことをよく知っている、でもそれらを世に表現する方法については、知見があるわけじゃない。それに、みんなデキルクライアントばかりじゃない。
だからこそ、かったるいプレゼンは身を滅ぼす。クライアントが社内で代理プレゼンしてくれるってこと、忘れたらダメ。かったるいプレゼンしていると、クライアントは社内でさらに輪をかけてかったるいプレゼンをすることになる。これは悲惨です。
プレゼン終わりの帰り道で(デザイン会社側)
少女漫画の別冊付録クラスの厚いプレゼン資料、長尺の説明にもフンフンと聞いてくれていたクライアント。資料もペラペラとあっちこっち見てくれてたし。コストも特に質問ナシ!!それ相応とわかってもらえたみたい!よし、今日は前祝だ!飲みに行くぞ!!
プレゼン終わりの会議室で(クライアント側)
資料、分厚すぎないか?どこに何書いてるかわかんないよ。てゆーか、あのディレクター、一人で良くしゃべるよねぇ。そのくせ、こっちの目見てないし。質問も最後にって、なんか質問する気失せるよね。コストって言われても、予算越えてんじゃん。予算感伝えたよね、●●君ッ!社長プレゼン、まとめておいてよ。他の会社もこの調子じゃ、仕切り直しだよ、まったく。。。
なんてこと、想像できませんか?温度の違いってこれくらいあります。これはフィクションですが、プレゼンってそれくらい掛け違いボタンになりがちなのです。
相対比較したなかで、できばえが微妙でも、競合他社が選ばれるなんてことあります。それは、クリエイティブの提案も大切ですが、それ以前に説明がシンプルで分かりやすかったということが前提だと思います。クライアントにもよるけれど、多少肉付けできる程度に余白のあるプレゼンの方が、社内では通しやすい(これはクライアントの技量にもよるけれど)
資料を配布しないというプレゼン
敢えて資料を配布しない、クライアントにプレゼンに集中してもらう!そういう方法もあると思うけど、まぁ、僕はNOです。「資料は?」と取引先に言いますね。この方法できるのは、売れてるクリエイターの方のみです。それでも、「はぁ?」となるでしょうし、フロントの営業マンには、「まぁわかるけど、出すものは出してよ、先に。」と言うでしょうね。
クライアントは「長々プレゼン」を望んでいない
結局まとめると、こうです。長々というのは、ノープランで資料読み上げるということ。クライアントのスピード感も無視。オリエンからの最低限の反映をサッサと確認したいのに、どこに書かれているのかわからない。あぁ、イライラする。思いのたけをアピールする場所じゃなくて、他社とも比較されて、クライアントに代理プレゼンしてもらうという建付けで要点を簡潔に伝えられるプレゼンじゃぁないと、「嫌ぁぁぁ」ってなっちまう。プレゼンが通って来なかったのには、たとえばこんな背景があるのかもしれませんよ。(おわり)